2026-02-23 コメント投稿する ▼
札幌市スポーツ協会が初のSASPO EXPO開催で金メダリスト3人が挫折と栄光語る
2026年2月23日、札幌市スポーツ協会が札幌・北区体育館で「SASPO EXPO~しょくがつなぐ未来~」を初開催しました。 2026年2月23日、一般財団法人札幌市スポーツ協会が札幌・北区体育館で「SASPO EXPO~しょくがつなぐ未来~」を初開催しました。
2026年2月23日、一般財団法人札幌市スポーツ協会が札幌・北区体育館で「SASPO EXPO~しょくがつなぐ未来~」を初開催しました。市民らが気軽にスポーツに親しむきっかけ作りとして、ピラティスやボクシングエクササイズなどの無料教室体験コーナーを設置しました。消防や自衛隊の訓練体験なども行われ、300人の参加者が様々な催しを楽しみました。
同協会では約1800種類のスポーツ・フィットネス教室を開催しています。さらに魅力あるものへ進化させるべく、2025年9月にブランド作りを開始しました。札幌とスポーツの造語から「SASPO」と愛称が決まり、この日は完成発表会も実施されました。同協会の鈴木和弥理事長から「まちじゅうにスポーツの根を張ろう」のブランドコンセプトなど、趣旨が説明されました。
オリンピアン3人が語る挫折と栄光
イベントの中で行われたトークセッションには、北海道出身の五輪とパラリンピック経験者3人が「北海道オールオリンピアンズ」として登場しました。1994年リレハンメル五輪のノルディック複合団体で金メダルを獲得した小平町出身の阿部雅司氏(60)、パラリンピックのアルペンスキー男子座位で2010年バンクーバー大会と2014年ソチ大会で金メダルを手にした網走市出身の狩野亮氏(39)、女子アイスホッケーで3大会連続出場した札幌市出身の藤本那菜氏(36)が様々な質問に答えました。
阿部氏は1992年アルベールビル大会では補欠だったため、チームメートが手にした金メダルをもらえませんでした。「その悔しさが自分を成長させてくれた」と、次大会で金を取った原動力となった思い出を披露しました。1994年リレハンメル大会では、河野孝典氏、荻原健司氏とともに団体で金メダルを獲得し、日本ノルディック複合の黄金期を築きました。
狩野氏は「初めて出た(2006年)トリノでの自分が情けなさ過ぎて。あの時の自分に戻りたくないという思いが強かった」とその後、気持ちを入れ替えて練習に励んだことなどを話しました。2010年バンクーバー大会ではスーパー大回転で金メダル、滑降で銅メダルを獲得しました。さらに2014年ソチ大会では滑降とスーパー大回転の2種目で金メダルを獲得し、パラアルペンスキー界のトップアスリートとしての地位を確立しました。
2人とも自身が獲得した金メダルを持参しました。「見てもらいたい」と観客間を回してもらう大盤振る舞いに、子供たちらは興味津々に見入っていました。本物の金メダルに触れる機会は貴重であり、子供たちにとって忘れられない思い出となったことでしょう。
次世代育成への強い思い
藤本氏は現在の夢を問われ、「世界で活躍できるような選手や子供たちを育てたい」と語りました。自身がGKコーチを務める女子チーム「ボルテックス札幌」からだけでなく、北海道から飛躍するような人間の育成を思い描いていました。
藤本氏は女子アイスホッケーの日本代表として、2010年バンクーバー大会、2014年ソチ大会、2018年平昌大会と3大会連続で出場しました。日本女子アイスホッケーの発展に貢献してきた藤本氏が、今度は指導者として次世代を育てようとする姿勢は、スポーツの継承という観点から重要です。
3人のオリンピアンに共通するのは、挫折を経験し、それを乗り越えて栄光を手にしたという点です。阿部氏はアルベールビル大会での補欠、狩野氏はトリノ大会での不本意な結果を語りました。しかし彼らは諦めず、次の大会で金メダルを獲得しました。この経験談は、スポーツに挑戦する若者たちに勇気と希望を与えるものです。
地域スポーツ振興の新たな試み
札幌市スポーツ協会は、2020年4月に「さっぽろ健康スポーツ財団」と「札幌市体育協会」が合併統合し、新たにスタートしました。札幌市におけるスポーツ競技団体を総括し、競技力の向上・普及促進、国際的なスポーツイベントの誘致・開催支援などの事業に積極的に取り組んでいます。
また、スポーツ施設、健康づくり施設、国際交流館の管理運営と、スポーツ教室や札幌マラソンをはじめとする各種スポーツイベントの開催において、市民のみなさまが生涯にわたり元気で健やかな健康・スポーツライフをお過ごしいただけるよう、ニーズや地域特性、季節に応じ多彩なサービスを提供しています。
「SASPO」というブランドの立ち上げは、同協会の活動をより多くの市民に知ってもらい、スポーツへの参加を促進するための戦略です。「まちじゅうにスポーツの根を張ろう」というコンセプトは、スポーツが特定の施設や団体だけのものではなく、地域社会全体に広がるべきという考えを示しています。
約1800種類のスポーツ・フィットネス教室を開催しているという実績は、札幌市スポーツ協会の活動の幅広さを示しています。ピラティス、ボクシングエクササイズなど多様なプログラムを提供することで、年齢や体力レベルに関わらず、誰もがスポーツに親しめる環境を整えています。
スポーツが持つ教育的価値
今回のイベントでオリンピアンたちが語ったエピソードは、スポーツが持つ教育的価値を改めて示すものでした。挫折を乗り越える力、目標に向かって努力を続ける姿勢、仲間との協力など、スポーツを通じて学べることは多岐にわたります。
消防や自衛隊の訓練体験が含まれていたことも興味深い点です。これらの体験は、身体を動かす楽しさだけでなく、規律や協調性の重要性を学ぶ機会にもなります。スポーツと社会貢献を結びつける試みとして評価できます。
300人という参加者数は、初開催のイベントとしては成功と言えるでしょう。今後、このイベントが定期開催され、より多くの市民がスポーツに親しむきっかけとなることが期待されます。札幌市は2030年冬季オリンピック・パラリンピックの招致を目指しており、地域全体でスポーツ振興に取り組む機運が高まっています。
「SASPO EXPO」は、スポーツを通じた地域づくりの新たな取り組みとして注目されます。オリンピアンの経験談を聞き、実際にスポーツを体験することで、市民のスポーツへの関心が高まることでしょう。今後の展開に期待したいところです。