2025-11-25 コメント: 1件 ▼
公約キタサンショウウオ生息適地でメガソーラー着工へ 釧路市の再調査要請を日本エコロジーが拒否
予定地は絶滅危惧種で市天然記念物のキタサンショウウオの生息適地とされているにもかかわらず、市教育委員会からの再調査要請に応じない姿勢を示しています。 日本エコロジーが12月上旬にも建設工事着手を予定している釧路市昭和の予定地は、絶滅危惧種で釧路市の天然記念物キタサンショウウオの生息適地として知られています。
氷河期の遺存種キタサンショウウオの生息地で建設強行へ
日本エコロジーが12月上旬にも建設工事着手を予定している釧路市昭和の予定地は、絶滅危惧種で釧路市の天然記念物キタサンショウウオの生息適地として知られています。キタサンショウウオは氷河期の遺存種と呼ばれ、国内では釧路湿原を含むごく限られた地域にしか生息していません。
2020年3月、環境省レッドリストのカテゴリーが従来の準絶滅危惧から絶滅危惧ⅠB類へと異例の2段階引き上げが行われました。その背景として、釧路湿原における開発行為による生息地の埋立てや改変、そして太陽光発電施設の建設が要因として環境省レッドリスト2020補遺資料に明記されています。
2022年1月には種の保存法に基づく「特定第二種国内希少野生動植物種」に指定され、個体の販売目的の捕獲等が厳罰化されています。体長約12センチメートルの両生類で、湿地や水たまりなどで生活し、産卵直後の卵のうが光を浴びると青白く輝くことから「湿原のサファイア」と呼ばれています。
市教委の再調査要請を拒否する姿勢
釧路市教育委員会は、日本エコロジーが実施した生息調査について「生息調査が不十分」として再調査を要請しています。関係者によると、同社は調査実績のない北海道外の企業に調査を依頼していたことなどが問題視されており、市側は提出された資料を精査している状況です。
実際に2025年5月には、釧路湿原国立公園内の国史跡「北斗遺跡」南側の湿原で、湿原の学術調査に取り組む北方環境研究所の調査によりキタサンショウウオの幼生が確認されています。これにより、従来「生息適地」と考えられていた場所で実際の生息が証明されました。
「調査地は産卵に適している水域が多数確認されている。幼生を確認できた水域以外でも広範囲に産卵があった可能性がある」
「太陽光発電施設の建設含めて、キタサンショウウオの生息地が失われている。道の方でも早い段階で天然記念物に指定してもらうのが一番いい」
「生息地周辺の開発が進むことによって、いま生きている環境がなくなると一気に絶滅ということも考えられる」
「釧路市立博物館が『非生息』と言うので、調査しなかったが、幼生が確認されたことは知らなかった」
「タンチョウが餌場としている湿原でもあるので、条例の制定までに着工するのは難しいかもしれない」
しかし日本エコロジーは、市教委からの再調査要請に応じない構えを示しており、12月上旬の工事着手を強行する方針を維持しています。
規制条例制定前の駆け込み建設との批判
釧路市では2025年9月にメガソーラーの設置を許可制とする規制条例が可決され、10月1日から施行されています。この条例ではキタサンショウウオやタンチョウなどが生息する区域を「特別保全区域」として、生息調査や保全対策を義務付けています。
日本エコロジーの建設計画は、この条例制定前の「駆け込み建設」との批判を受けています。同社は全国700カ所以上で太陽光発電施設を建設してきた実績がありますが、釧路湿原周辺での事業については地域住民や環境保護団体から強い反対の声が上がっています。
文化庁も、国の特別天然記念物タンチョウなどに影響を及ぼす行為は文化財保護法に抵触し、罰則が科される可能性があると事業者に伝えるよう、釧路市教育委員会に求めています。環境省も「工事箇所はタンチョウなど希少種の生息も確認されているため、環境省としても注視している」として監視を強めています。
釧路市の鶴間秀典市長は「今回作った条例は全国的にも最先端。自然と調和していない太陽光発電を増やさないために、力を合わせていきたい」と述べており、自然環境保護と再生可能エネルギー推進のバランスが問われる事案となっています。
この投稿は鶴間秀典の公約「湿原を守る!太陽光パネル規制条例」に関連する活動情報です。この公約は点の得点で、公約偏差値、達成率は93%と評価されています。