2025-04-13 コメント投稿する ▼
宝塚市長選、小児科医・森臨太郎氏が初当選 “オール宝塚”で市政に新風
投票率は36.97%で、前回(42.65%)を下回った。
無所属・市民派が市政を刷新
当選確実の一報が入った13日夜、宝塚市内の選挙事務所に姿を見せた森氏は、支援者たちに深く頭を下げたうえで、「私に投票しなかった方の声にも耳を傾け、すべての市民と共に“オール宝塚”で輝きを取り戻したい」と語った。支援者からは大きな拍手と歓声が湧き起こった。
森氏は政党の推薦を受けない「無所属・市民派」を掲げて立候補。党派色を排した草の根の活動で市民との対話を重ね、子育て世代や高齢者の支持を広げてきた。一方で、立憲民主、共産、社民の各地方議員からは支援を受けており、保守系候補との一騎打ちとなった。
得票結果
- 森 臨太郎:33,459票
- 大川 裕之:27,505票
- 小西 彦治:7,512票
市立病院の未来が争点に
今回の選挙では、市立病院の建て替え問題が大きな争点となった。森氏は「いのちを守るまち」をスローガンに、医療・福祉・介護の連携強化を訴えた。これに対し、大川氏は行政改革を掲げて効率的な運営を強調したが、有権者の選択は市民目線の福祉重視に傾いた。
森氏の横顔と今後の課題
森氏は京都大学医学部を卒業後、小児科医として国内外で経験を積んだ。英国保健省や国連での勤務歴を持ち、グローバルな視点から地域課題に取り組んできた。宝塚市立病院の小児科医としても勤務しており、医療現場の声を行政に反映できる点が大きな強みだ。
ただ、当面の課題は山積している。市立病院の再整備、ごみ処理施設の更新、そして250億円にのぼる高額寄付の使途など、市政の舵取りは容易ではない。森氏は「市民とともに考える政治」を掲げ、丁寧な説明と合意形成を約束している。
市民の声
「政治家っぽくないところがかえって信頼できた」「子どもを持つ親として、小児科医の視点は頼もしい」――。投票所の前で聞かれた市民の声は、森氏への期待の高さを物語っていた。
宝塚のまちに新しい風を吹き込むことができるか。“医師から市長へ”と転身した森氏の手腕に注目が集まる。