2025-06-19 コメント投稿する ▼
井上哲士議員「誰もが輝ける社会を」 手話施策推進法成立で共生の決意を語る
6月19日、手話の普及と理解促進を推進する「手話施策推進法」の成立を祝う報告会が、衆議院第1議員会館で開催された。集まったのは、ろうあ者の支援に尽力してきた全国の関係者や市民、そして超党派の国会議員たち。会場は、長年の運動の成果を喜ぶ拍手と熱気に包まれた。
その中心に立ったのが、日本共産党の井上哲士参議院議員だ。井上氏は、自身が広島で育った被爆二世であることを踏まえ、「誰もが自分を輝かすことができるような社会をつくりたい」と強く訴えた。
「情報保障は民主主義の土台」井上氏が訴え
井上氏はこれまで、点字図書の普及や選挙における政見放送への手話・字幕の付与など、障害のある人々の「情報へのアクセス」を保障するための政策に一貫して取り組んできた議員のひとりだ。
報告会の中でも、「政治参加はすべての人に保障されるべき権利です。手話を通じて、自分の意見を社会に届ける手段を奪われてはならない」と語り、民主主義の根幹に関わる課題として手話施策の重要性を位置づけた。
さらに、「今回の全会一致での法成立は、全日本ろうあ連盟や支援者のみなさんが真摯に積み上げてきた成果であり、その情熱が国会を動かした」と述べ、参加者に心からの敬意と感謝を表した。
「井上議員の言葉、まっすぐで心に刺さった」
「“誰もが輝ける社会”ってこういうことだと思う」
被爆二世としての視点 共生社会の実現へ
井上氏が繰り返し語るのは「共に生きる社会」の必要性だ。広島で被爆二世として育った井上氏にとって、差別や偏見、そして情報からの排除は決して他人事ではない。だからこそ、障害の有無にかかわらず、すべての人が社会の中で尊重される制度づくりに尽力してきた。
「法ができたことで、ようやくスタートラインに立った」と井上氏は強調し、手話通訳者の配置拡充や学校・職場での理解促進など、今後の課題を一つひとつ丁寧に進めていく決意をにじませた。
「“スタートライン”って言葉、覚悟を感じた」
運動の積み重ねが政治を動かした
今回の法成立は、2010年に始まった全日本ろうあ連盟の「手話言語条例制定運動」が出発点だ。地方議会への働きかけを経て、2025年6月時点で597自治体が条例を制定。その運動の先に、ついに国の法律として実現した。
井上氏は「地方と国の政策がつながったことが何より大きい。国が責任を持って手話を普及し、教育や通訳者養成に本腰を入れる時代が始まる」と期待を寄せた。
「国政レベルまで話が届いたの、本当にすごい」
法はできた、これからが真の仕事
報告会では支援者たちから「手話が猿まねと言われた時代を乗り越えてきた」といった声も上がり、制度の裏にある歴史的抑圧が共有された。
井上氏は最後に「法ができて終わりではない。手話が“当たり前のもの”として社会に根付くには、日常の中での変化が必要だ。これからも皆さんとともに、言語としての手話の地位を守り広げていきたい」と語り、今後の取り組みへの決意を示した。
法制度を活かすも殺すも、これからの実践にかかっている。井上哲士氏の言葉は、単なる祝福にとどまらず、「誰ひとり取り残さない社会」への呼びかけでもあった。