2025-05-15 コメント投稿する ▼
能動的サイバー防御法案が参院委で可決 通信の秘密とプライバシー侵害の懸念広がる
能動的サイバー防御法案、参院委で可決 通信の秘密侵害を懸念
能動的サイバー防御法案が15日、参議院内閣委員会で自民、公明、立憲民主、維新、国民民主の賛成多数により可決された。一方で、日本共産党とれいわ新選組は反対票を投じた。この法案は、通信情報の監視や取得を通じて、サイバー攻撃から国を守ることを目的としているが、通信の秘密の侵害や国民監視への懸念が指摘されている。
法案の目的と内容
この法案は、国内外からのサイバー攻撃に対抗するため、政府が通信情報を取得し、必要に応じて「アクセス・無害化措置」を実行できるようにするもの。対象はインターネット通信だけでなく、国内通信も含まれる可能性があり、これが「通信の秘密」の侵害にあたると懸念されている。
さらに、法案は協定を結んだ基幹インフラ事業者からは自由に通信情報を取得できるが、協定のない場合は「やむを得ない」と判断される条件下で取得可能とされている。この点について、日本共産党の井上哲士議員は「通信情報の利用が段階的に拡大され、監視が強化される危険性がある」と批判した。
井上議員の反対討論
参議院内閣委員会での質疑で、井上議員は以下の問題点を指摘し、反対を表明した。
* 憲法が保障する通信の秘密を侵害する恐れ
* 通信情報が目的外で利用され、国民監視が強まる可能性
* 警察が「アクセス・無害化措置」を令状なしで実施可能
* 日本がサイバー攻撃に対して軍事的対応を取ることで、戦争に巻き込まれるリスク
井上氏は「この仕組みができれば、通信情報の収集や分析が拡大し、国民のプライバシーが脅かされる」と警告した。また、政府は内内通信(国内通信)の取得を否定していない点も問題視している。
懸念される国際的影響
さらに、井上氏は、在日米軍に対するサイバー攻撃に日本が対応し、相手国に「アクセス・無害化措置」を実施する可能性に懸念を示した。これは、日本が意図せず戦争に巻き込まれるリスクをはらんでおり、「相手国からは参戦と見なされかねない」と強調した。
ネット上の反応
能動的サイバー防御法案に対するネット上の意見は賛否が分かれている。
「通信の秘密が侵されるなら、プライバシーはどこへ?」
「サイバー攻撃に備えるのは大事だが、監視社会には反対。」
「これで国民の自由が脅かされる可能性もある。」
「安全のためには多少の監視は仕方ないと思う。」
「法案の内容が曖昧すぎる。もっと議論が必要だ。」
この法案は16日の参院本会議で成立する見通しだが、通信の秘密やプライバシー保護に関する議論は今後も続く見込みだ。政府は運用面での透明性と監視体制を確保し、国民の不安を払拭する必要がある。