「ミソジニー=人権侵害」は飛躍か 生理用品問題に冷静な議論を求める声

2025-04-15 コメント投稿する

「ミソジニー=人権侵害」は飛躍か 生理用品問題に冷静な議論を求める声

4月15日の参院内閣委員会で、日本共産党の井上哲士議員は、三重県議会の吉田紋華議員に対する脅迫事件を取り上げ、公共施設での生理用品の無償設置を訴えた吉田氏への攻撃が「ミソジニー(女性蔑視)に基づく人権侵害」だと指摘。政府に対し、ミソジニーを許さない姿勢と対応を強く求めた。

井上氏は、「生涯の月経回数が増えた現代女性にとって、生理用品の経済的・精神的負担は大きい」と述べた上で、「性と生殖に関する困りごとは女性の尊厳に関わる問題であり、社会全体で福祉的に解決すべき」と主張。そのうえで、「そうした主張を行った吉田議員に対する攻撃は、男尊女卑の規範を壊そうとする人間を黙らせようとするもので、明確にミソジニーに基づく人権侵害だ」との見解を示した。

さらに井上氏は、共感の声が多く寄せられている事実を挙げ、「これは、これまで多くの女性がミソジニー的な社会構造の中で声を上げられずにいたことの裏返しだ」と指摘。政府に対し、警察による実態調査や対策の強化を求めた。

これに対し、三原じゅん子男女共同参画担当相は、「女性蔑視、女性差別は、政府が掲げる男女共同参画の理念に反する」と述べた。坂井学国家公安委員長も「女性が被害申告や相談をしやすい環境の整備に努める」と応じたが、ミソジニーに関する具体的な調査については言及を避けた。

一方で、「生理用品の公的無償提供を行わないこと自体が、即座に人権侵害や差別にあたる」という一部の主張に対し、飛躍があるのではないかとの懸念の声も出ている。生理の貧困という社会課題に真摯に向き合うことと、政策判断の是非をめぐる冷静な議論は分けて考える必要がある。

生理用品の無償設置をめぐっては、既に多くの自治体が独自に取り組みを進めているが、その費用負担や設置場所、管理体制など、具体的な課題も少なくない。限られた財源をどのように使い、誰をどのように支援すべきか。政策として成立させるためには、感情的なレッテル貼りではなく、事実と実情に即した議論が不可欠である。

女性の尊厳を本当に守るために必要なのは、相手の立場や懸念を排除するのではなく、多様な意見を受け入れた上で、現実的で持続可能な施策をどう設計するかという地に足のついた議論である。

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2025-04-16 11:08:04(藤田)

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