2025-03-24 コメント投稿する ▼
学童保育の大規模化解消へ 井上議員、国基準見直しを提案
■ 待機児童数の減少の背景
こども家庭庁の調査によると、学童保育の待機児童数は半年間で約9,000人減少したと報告されています。登録児童数(実際に学童保育を利用している児童数)も約5万人減少したというデータも示されています。しかし、この減少には理由があり、同庁の藤原朋子成育局長は、「夏休みを過ぎると学童保育の需要が低くなり、必要がなくなった家庭が待機を取り下げるためだ」と説明しました。
■ 「諦めて待機から外れる家庭」
井上議員は、こうした数字だけでは問題の本質を捉えきれないと指摘しました。「夏休みが終わっても入れない場合、子どもを預ける場所を諦めて待機を取り下げる家庭が多い」と述べ、実際に自治体の職員からも「年度当初のニーズに対して、受け入れ体制が追いついていない」という声が上がっていることを強調しました。
■ 学童保育の大規模化とその問題
また、登録児童数が減少した背景として、習い事をする児童が増えていることも影響しているとされています。しかし、井上議員は2010年の国民生活センターの調査結果を引用し、施設の大規模化が問題を引き起こしている点を指摘しました。「学童保育の施設が過密状態になり、子どもたちが多すぎて指導員のサポートが行き届かない。結果的に、35.1%の子どもが途中で退所している」と、施設環境の改善が必要だと訴えました。
これに対して、三原じゅん子こども担当相は「子どもが行きたがらない理由が施設の過密状態にあるなら、それは改善すべきだ」と、問題を認める発言をしました。
■ 学童保育の基準見直しを提案
さらに井上議員は、学童保育における子ども集団の基準を見直すよう求めました。現在、国の基準では1つの学童保育に40人の子どもを受け入れることが求められていますが、井上議員は「小学校でも35人学級が進んでいる中、学童保育の大規模化を解消するためにも、この基準を見直すべきだ」と提案しました。
- 待機児童数の減少:こども家庭庁によると、半年間で約9,000人の減少が確認された。
- 登録児童数の減少:約5万人減少。
- 背景:夏休みを過ぎると学童保育のニーズが低下し、待機を取り下げる家庭が増える。
- 課題:年度当初のニーズに対して、学童保育の受け入れ体制が追いついていない。
- 学童保育の大規模化問題:施設の過密状態や指導員不足で35.1%の児童が途中退所。
- 政府の認識:三原担当相は、施設の改善が必要だと認める。
- 提案:学童保育の子ども集団基準を見直すべきだと井上議員が提案。