茨城県職員の自死で副知事の言動に問題指摘　第三者委が報告書で明記

茨城県職員の自死に第三者委が言及　副知事の言動「全く問題がなかったとは言えず」

茨城県で副知事の秘書業務にあたっていた男性職員が昨年、命を絶った問題について、調査にあたった第三者委員会が「副知事の言動に全く問題がなかったとは言い切れない」とする内容を報告書に盛り込んでいたことが分かった。報告書そのものは非公表扱いだが、関係者への取材により明らかになった。

職員は「限界」と遺書に記す　副知事の下での勤務に苦悩

亡くなったのは、茨城県の秘書課に所属していた40代の男性係長で、主に飯塚博之副知事の秘書業務を担っていた。昨年10月中旬、「あの副知事の下で仕事するのは限界だ」と書かれた遺書を残して死亡。状況からみて自死とみられている。

第三者委員会は調査の末、今年2月に「過重な業務や明確なパワーハラスメントは確認できなかった」としていたが、報告書の最後に記された「付言」では、遺書から職員が精神的な圧力を感じていたことがうかがえると記されている。

副知事らには「厳重注意」も　県は説明責任に課題

報告書の公表を見送った茨城県は、定例会見で「ご遺族の意向を尊重した」と説明。報道陣からの詳細な開示要求にも「非公表としているため、これ以上のコメントは差し控える」と述べた。

県は飯塚副知事と秘書課長に対し、組織の管理責任を問う形で厳重注意の処分を行ったものの、職場内での精神的な圧力の実態がどこまであったのか、検証の余地を残している。

再発防止へ県は「ハラスメント対策強化」掲げるが…

この事案を受け、県は再発防止策としてハラスメント防止策の強化を打ち出している。基本指針の策定、職員アンケートの実施、相談体制の拡充、研修制度の見直しなどが挙げられているが、現場の実効性に対する疑問の声もある。

県内部でも、「遺書の文面にまで踏み込んだ誠実な対応を」と求める意見が一部で上がっており、信頼回復にはさらなる説明責任の果たし方が問われている。

ネットでは疑念と批判が相次ぐ

SNS上では、茨城県の対応に対する不信感が広がっている。

「遺書に『限界』と書いてる時点で普通の状態じゃない。公表すべきだった」
「パワハラがなかった、じゃなくて、感じさせた時点で問題なんだよ」
「報告書を隠す理由が分からない。何を守りたいの？」
「厳重注意で済ませるって、あまりに軽い」
「県の説明がずっと他人事に聞こえる。亡くなった職員が気の毒だ」

行政の中枢で起きた深刻な事案だけに、情報の透明性と職場環境の改善に向けた具体策が強く求められている。