2025-07-04 コメント投稿する ▼
群馬・桐生市副市長が辞職 入札妨害事件で事情聴取、「市政混乱の責任」と言うが説明なしに不信残る
入札妨害事件の渦中、副市長が辞職
群馬県桐生市の副市長、森山享大氏(52)が7月4日、退職願を提出し受理された。市役所の新庁舎建設工事をめぐる公競売入札妨害事件で、事情聴取を受けていたことが背景にある。森山氏は、入札公告を審査する指名選考委員会の委員長という立場にあり、捜査対象として浮上していた。
この事件では、自民党を離党した県議の相沢崇文容疑者(49)を含む4人が逮捕されており、政界と行政の癒着が強く疑われている。副市長の辞職は、事件の影響が桐生市政の中枢まで及んでいることを示しており、市民の間には大きな波紋が広がっている。
「入札妨害ってもう昭和の話じゃないの?」
「副市長が審査委員長でこの事件はヤバすぎる」
「辞めて済む問題じゃない。誰が責任とるのか」
「市長は他人事みたいなコメントだけで終わり?」
「桐生市、完全に信用ガタ落ち。市民が一番かわいそう」
「責任を感じた」も説明不足、続く不信感
市によると、森山氏は6月19日から公務を離れていた。退職理由について「議会に出席できず、長期間にわたり職務に当たれない状況が続いていた。市政に混乱を招いていることに強い責任を感じた」と説明している。
だが、「辞職=説明終了」とはいかず、市民や市議会からは「具体的にどのような関与があったのか、疑惑を晴らす責任がある」との声が相次いでいる。事情聴取を受けたことが事実である以上、政治的・道義的責任にとどまらず、疑惑の内容や経緯についての説明が強く求められている。
一方、荒木恵司市長は同日の記者会見で「市民に心配をかけ、誠に残念。警察の捜査に全面的に協力する」と述べたが、市側としての調査や説明の場を設ける予定は未定だという。
指名選考委員会に漂う「不透明さ」、制度見直しも不可避
森山氏が委員長を務めていた指名選考委員会は、入札の公平性と透明性を担保するべき機関だった。しかし、その場に関係者が不正介入していた可能性が浮上しており、制度そのものへの信頼が揺らいでいる。
本来、市民のために適正に進められるべき公共工事の入札が、政治家や業者の利害で歪められていたとすれば、問題は個人の辞職で済む話ではない。関係者への徹底的な聴取と記録の開示、選考委員会制度の抜本的な見直しが不可欠だ。
政と官の癒着を絶てるのか、地方政治の根幹が問われる
地方自治体における公共事業の入札制度は、かねてから“ブラックボックス”化しやすい分野とされてきた。市議会出身の副市長が重要ポストを務め、地元選出の県議と業者がつながるという構図は、地方政治の“なあなあ体質”が温存されている証左でもある。
この事件を一過性の「不祥事」として処理するのではなく、政と官、そして民間がどこまで癒着していたのか、徹底した実態解明が求められる。副市長の辞職は、あくまで“始まり”に過ぎない。
桐生市民にとって、公共事業とは「街の未来をつくる」手段であるべきだ。それが一部の関係者の利権のためにねじ曲げられたなら、市政に対する信頼回復には相当な時間と労力を要するだろう。