2025-06-13 コメント投稿する ▼
渋谷区パートナーシップ証明制度10年 利用者わずかでも家族制度は変えるべきか?
制度発足から10年、利用者は年間一桁台
東京都渋谷区が平成27年に導入した「パートナーシップ証明書」制度が、今年で10年を迎えた。この制度は、同性カップルを婚姻に相当する関係と認め、区営住宅への申し込みや病院での面会など、いわゆる「生活上の配慮」を求める根拠とされている。
制度そのものは「性的少数者への支援」として話題を呼び、以後全国の自治体にも類似の制度が広がった。だが、当の渋谷区ではこの10年間の発行数が年間一桁台にとどまる年もあり、実態として利用者数が非常に限定的であることが明らかになっている。
単に制度が「存在する」ことと、「実際に社会的に活用されているか」は全く別問題である。渋谷区がいかに先進的な自治体としてメディアに取り上げられても、利用者がわずかであるという事実は、「本当に社会的要請があるのか?」という問いを突きつける。
拙速な「多様性推進」論と家族制度の再定義
渋谷区の制度をきっかけに、全国の自治体でパートナーシップ証明制度が次々と導入される一方、いま国政では「家族のかたち」をめぐる議論が一層加熱している。立憲民主党をはじめとする野党各党は、同性婚の法制化、さらには選択的夫婦別姓制度の導入を主張し、これらを「多様性社会への対応」として押し出している。
だが、このような動きには重大な問題がある。同性カップルの法的保護の議論は、国民の生命や財産に関わる制度の根幹「家族法」を大きく揺るがすものであり、本来は憲法や社会制度の根本的再設計と直結する慎重な検討が不可欠だ。
ましてや「利用者は少ないが、理念として進めるべき」という論理で社会制度を変更するのは、政策本来の根拠を見失う危険性がある。行政が配慮を示すことと、法的婚姻制度や戸籍制度のあり方を変えることは、まったく別次元の話である。
少数の利用者が制度の正当性を示すのか
確かに、少数者の権利を無視してはならない。しかし、政策を動かす際に本来必要なのは、実際のニーズと制度によって救われるべき「実在の困難」をしっかりと把握することだ。
パートナーシップ証明の利用者数が10年で極めて少数にとどまっている現状は、慎重な再検討を促す信号として受け止めるべきだろう。なぜ利用が広がらなかったのか。形式上の制度にすぎなかったのではないか。利用者が少ないという現実を直視せず、「制度は進歩だ」と語るのは、思考停止に他ならない。
また、「家族の形」や「姓の在り方」を変えることは、単に形式を整えるというだけでは済まない。日本社会が何世代にもわたって培ってきた文化的、法的枠組みを大きく変えるという決断に他ならない。
家族制度の安易な再構築に立ち止まるべき時
立憲民主党などが主張する選択的夫婦別姓制度も、表向きは「個人の選択肢を尊重する」ように見える。しかし、その実質は、親子で異なる姓を名乗ることが当たり前の社会を作り出し、戸籍制度の根幹を揺るがすものである。夫婦別姓を選べば、必然的に「親子別姓」が生まれる。これは事実上、家族の単位を解体する方向へと舵を切ることになる。
しかも、その導入を急ぐ根拠として、渋谷区のような「利用者の少ない制度」が象徴のように持ち出されるのは極めて危うい。政策は話題性や理念だけで決めるべきではない。国民の多数が関わる根本制度の変更には、広範な議論と慎重な検討が必要である。
ネット上の反応
渋谷の制度、結局誰も使ってないなら意味あるの?
家族制度を変える話なのに、なぜこんなに急ぐのか理解不能。
パートナーシップ証明って、ただのアピールにしか思えない。
利用実績を無視して制度化を進めるのは無責任すぎる。
多様性の名のもとに、日本の社会基盤が壊されていく感じがする。