2025-11-25 コメント投稿する ▼
茨城県坂東市廃プラ工場火災30時間継続、大宇産業で鎮火メドたたず住民健康懸念
敷地内の建屋3棟を全焼し、敷地内に置かれていた廃プラスチックを焼いたこの火災は、地域住民の健康への懸念を高めながら長期化の様相を呈しています。 特に廃プラスチックの燃焼による有害物質の発生が懸念されており、坂東では住民に対し、「煙や灰などが飛んでくる可能性がある」として、注意をするよう呼び掛けています。
30時間以上燃え続ける廃プラ工場火災
茨城県坂東市で鎮火のメドたたず、周辺住民に煙害の不安拡大
茨城県坂東市幸田にあるリサイクル業「大宇産業」の廃プラスチック加工工場で2025年11月23日午後10時40分頃に発生した大規模火災は、発生から30時間以上が経過した25日午前6時現在でも鎮火のメドがたっていません。敷地内の建屋3棟を全焼し、敷地内に置かれていた廃プラスチックを焼いたこの火災は、地域住民の健康への懸念を高めながら長期化の様相を呈しています。
約1万平方メートルの敷地でフレコンバッグが燃え続ける
工場敷地は約1万平方メートル。敷地内の全域に廃プラスチックのチップが入った袋状の容器である「フレコンバック」が大量に置かれ、これらを焼いた状況となっています。廃プラスチックのリサイクル工場の産業廃棄物などが入っている大量の袋が燃え、風の影響で、付近の木などにも火が燃え移ったことで、火災の範囲が拡大しました。
火災発生からおよそ13時間が経った今でも、黒い煙がもくもくとあがっていて、時折、プラスチックが燃えたようなツンと鼻につく臭いがしていますと現地からの報告があり、消防士が放水している様子も見られましたが、消火活動の効果は限定的な状況が続いています。
「夜にパンパンと音が聞こえて外を見たら火が上がっていた」
「破裂音がした。風向き変わって、こっちの住宅側に何もなければいいなと」
「プラスチックが燃えたような臭いがして、窓を閉めている」
「大分県でも大きな火災があったので延焼が怖い。早く鎮火してほしい」
「とてつもなく高く炎があがって、風向きが変わったら心配」
消防車10台投入も鎮火困難、住民に健康被害の懸念
消防車など9台が消火活動にあたっていますが鎮火のめどは立っていませんという状況で、消火活動の長期化が避けられない見通しです。特に廃プラスチックの燃焼による有害物質の発生が懸念されており、坂東では住民に対し、「煙や灰などが飛んでくる可能性がある」として、注意をするよう呼び掛けています。
工場の近くには太陽光発電所があるほか、およそ400メートル先には小学校もあり、消防が消火活動をすすめています状況で、周辺施設への延焼防止が急務となっています。廃プラスチックの燃焼では合成樹脂(プラスチック)を燃やすと発生する有毒ガスのダイオキシンをはじめとする有害物質の発生が懸念されます。
従業員避難も出火原因は調査中
工場は出火当時、操業していなかった。建屋内には住み込みの従業員2人がいたが、避難しけがはなかったとのことで、人的被害は現時点で報告されていません。車で通りかかった男性(49)が建屋から煙と火が上がっているのを見つけ、119番通報したことで火災が発覚しました。
県警境署では出火原因の調査を進めていますが、廃プラスチックという燃えやすい素材が大量に保管されていた工場での火災であることから、原因究明には時間がかかる見通しです。現場は国道354号沿いの工業団地の近くで、周辺は雑木林が広がる立地条件にあり、延焼の危険性も指摘されています。
廃プラ火災の特徴と鎮火困難の理由
廃プラスチックの火災が長時間にわたって続く理由として、プラスチック素材の燃焼特性があげられます。密集して保管された廃プラスチックは内部が高温になり続け、表面の炎が消えても内部でくすぶり続ける傾向があります。また、風向きが変わったからか、周囲には灰がまう様子も確認できます状況で、風の影響による火災の拡散も消火活動を困難にしています。
今回の火災では、隣接する太陽光発電施設への影響も懸念されています。高温の火災が太陽光パネルに及んだ場合、パネルの破損や配線へのダメージ、さらには感電のリスクも想定されるため、消防当局は周辺施設への注意を払いながら慎重な消火活動を続けています。
この火災は廃棄物処理施設における安全管理の重要性を改めて浮き彫りにしており、同種の施設での防火対策の見直しが急務となる可能性があります。地域住民の健康と安全を確保するため、行政と消防当局による総合的な対応が求められています。