2025-11-21 コメント投稿する ▼
茨城ひたちなかサツマイモ基腐病土壌消毒89%完了も1カ所同意得られず
茨城県ひたちなか市で相次いで確認されているサツマイモの「基腐病(もとぐされびょう)」について、大井川和彦知事は2025年11月21日の定例記者会見で、周辺約26ヘクタールの畑を対象とした土壌消毒が89%完了したと発表しました。 基腐病は茨城県ひたちなか市のサツマイモ畑で11月5日から18日にかけて計6件確認されました。
日本有数の干し芋産地で深刻な感染拡大
基腐病は茨城県ひたちなか市のサツマイモ畑で11月5日から18日にかけて計6件確認されました。ひたちなか市は全国の干し芋生産量の9割以上を占める日本最大の干し芋産地として知られ、茨城県は全国で2番目のサツマイモ生産量を誇る重要な産地です。
県農業技術課によると、最初の感染は11月3日に生産者からの通報により発覚しました。貯蔵していた「シルクスイート」という品種のサツマイモが黒く変色しており、11月5日の遺伝子検査で基腐病と判明しました。その後、近隣の畑で次々と感染が広がり、県は11月18日に独自の「緊急事態宣言」を発出する事態となりました。
基腐病の深刻な影響と経済損失
基腐病は、カビの一種である糸状菌が原因となる病害です。感染すると根が黒く変色し、茎が腐って葉が枯れます。症状が出ない場合もありますが、収穫時には健全に見えた塊根が貯蔵中に発病し腐敗するのが特徴です。
この病気は2018年に沖縄県で初めて確認されて以降、急速に全国に拡散しています。最大の産地である鹿児島県では、基腐病の影響で2018年産27万8300トンから2021年産19万600トンまで収穫量が約3割減少した深刻な被害を記録しています。この影響で芋焼酎の生産量も落ち込み、メーカーの値上げを招いた過去があります。
土壌消毒の進捗と課題
県は感染が最初に確認された畑の周囲500メートル以内で、サツマイモ以外の作物を含む約26ヘクタールの畑を対象に、ダゾメット粉粒剤などの殺菌剤を使用した土壌消毒を実施しています。11月20日までの作業完了を目指していましたが、1カ所で所有者から同意が得られていません。
大井川知事は「引き続き同意してもらえるよう努力していきたい」として、理解を求める考えを示しました。基腐病菌は土壌中の植物残渣で越冬し、次作の伝染源となるため、徹底した土壌消毒が根絶には不可欠とされています。
農家や消費者の声
基腐病の発生を受けて、地域からは様々な声が上がっています。
「まさか茨城でも基腐病が出るなんて、鹿児島の被害を見てたから恐ろしい」
「干し芋がなくなったら茨城の冬の風物詩が消えてしまう」
「土壌消毒に協力しない農家がいるのは理解できない、みんなで守らないと」
「基腐病で干し芋の値段が上がるのか心配、毎年楽しみにしてるのに」
「政府はもっと本気で対策しないと日本のサツマイモ産業が壊滅する」
過去の発生と防除対策
茨城県で基腐病が確認されたのは、2022年に県北地域で発生して以来3年半ぶりです。これまでに全国36都道府県で感染が確認されており、広域的な感染拡大は主に基腐病菌に感染した種苗の移動により生じると考えられています。
防除対策の基本は「持ち込まない・増やさない・残さない」の3つです。健全な種芋の選抜、苗床消毒、発病株の早期除去、土壌消毒などを総合的に実施することで初めて効果を発揮します。茨城県は2023年に国の改正植物防疫法に基づき「県総合防除計画」を策定し、全国で初めてサツマイモ栽培での基腐病に関する順守事項を定めています。
産地存続への危機感
茨城県はサツマイモの農業産出額で全国1位、生産量・栽培面積で全国2位を誇る一大産地です。特に干し芋は県内シェアが全国の9割以上を占め、ひたちなか市、東海村、那珂市が主要産地となっています。
県農業技術課の市村勉課長は「茨城はかんしょの大産地。防疫措置を速やかに進め、生産者への防除の徹底を指導したい」と述べ、産地を守る決意を示しています。大井川知事も「ひたちなかはサツマイモの大産地。徹底した消毒作業で基腐病を根絶し、産地をしっかりと守っていきたい」と強調しました。
基腐病は1年目の軽微な発病でも、対策を怠ると数年後に激発して収穫皆無となる恐れがあります。茨城県の重要な特産品である干し芋の生産を守るためには、生産者と行政が一丸となった取り組みが不可欠です。県は引き続き防疫措置を徹底し、感染拡大の完全な阻止を目指しています。