2025-10-10 コメント投稿する ▼
茨城県職員給与を月給1万1707円引き上げ勧告 34年ぶりの高水準、県民の理解課題に
この勧告の背景には、物価上昇や人手不足の深刻化があります。 人事委員会は「民間水準との均衡を保つことが必要」と説明しています。 公務員給与の引き上げには賛否の声があります。 県は、引き上げの目的や影響を分かりやすく説明し、県民の理解を得る努力が求められます。 給与の見直しは、行政職以外の職員にも適用されますが、職種によって差が出る場合もあります。
茨城県職員給与、月給1万1707円引き上げを勧告
茨城県人事委員会は10日、2025年度の県職員給与について、月給を平均3.01%(1万1707円)引き上げるよう勧告しました。あわせて、期末・勤勉手当と呼ばれる特別給を0.05カ月分増やして、合計4.65カ月分とするよう求めました。大井川和彦知事と県議会に対し、正式な勧告として提出されています。
今回の引き上げは、1991年度以来34年ぶりとなる高水準です。勧告どおりに実施されれば、行政職(平均年齢42歳)の平均年収は前年度より21万9000円多い673万1000円となります。
物価高と人手不足が背景
この勧告の背景には、物価上昇や人手不足の深刻化があります。県内の民間企業でも賃上げが進んでおり、公務員給与を据え置くと人材確保が難しくなるとの懸念がありました。人事委員会は「民間水準との均衡を保つことが必要」と説明しています。
一方で、県財政の負担も大きくなります。給与や手当の増額は人件費全体を押し上げるため、今後の予算編成への影響は避けられません。知事は「財政とのバランスを考えながら対応を検討する」と述べています。
県民の理解をどう得るか
公務員給与の引き上げには賛否の声があります。生活にゆとりができるという期待の一方で、「物価が上がる中で県民には恩恵がない」との批判もあります。県は、引き上げの目的や影響を分かりやすく説明し、県民の理解を得る努力が求められます。
また、地方公務員の待遇改善は他県にも影響を与えます。周辺県で同様の動きが出れば、地域全体で人件費が増えることになります。人件費の上昇は行政サービスの効率化を求められる要因にもなりそうです。
公平性と今後の課題
給与の見直しは、行政職以外の職員にも適用されますが、職種によって差が出る場合もあります。特に、非正規や臨時職員の処遇改善が追いついていないという指摘もあります。県は、正規・非正規の待遇差を縮める取り組みを強化する必要があります。
県民からは次のような声も上がっています。
「職員の努力を評価するのはいいけど、その分の財源をどうするの?」
「引き上げばかりで、県民の負担が増えるのは納得できない」
「現場の人が報われる仕組みなら賛成だけど、上層部優遇なら問題」
「県職員も生活があるんだし、物価上昇分は必要だと思う」
「公務員だけでなく、県民全体の生活改善につながる政策を出してほしい」
透明性と説明責任が鍵
今回の勧告は、職員の生活安定と人材確保という面では理解できます。しかし、県民の目線から見れば、「誰のための引き上げなのか」を明確に説明することが欠かせません。県政の信頼を保つためにも、予算の内訳や今後の見通しを丁寧に示すことが重要です。
また、物価上昇が続くなかで民間企業との賃金差が広がれば、再び見直しが求められる可能性があります。県がこの勧告をどう受け止め、実際の給与改定につなげるかが注目されます。