2025-11-09 コメント投稿する ▼
石平議員「中国共産党は周辺民族の悪夢」アジア民主化集会が中国の歴史は収奪と決議、黎智英氏に人権賞
「アジアの民主化を促進する東京集会」が2025年11月9日、高市早苗首相氏の南モンゴル人権問題への発言に抗議した中国政府に対して強い反論決議を採択しました。 「中国共産党さえなければ、東アジアは幸せで平和で、まったく別の世界になる」との石平氏の指摘は、中国共産党一党支配が地域の平和と安定にとって最大の脅威であることを端的に表しています。
中国の歴史は収奪の歴史
アジア民主化集会が反論決議、石平議員「中国共産党は周辺民族の長い悪夢」
「アジアの民主化を促進する東京集会」が2025年11月9日、高市早苗首相氏の南モンゴル人権問題への発言に抗議した中国政府に対して強い反論決議を採択しました。決議文は「ウイグル、チベット、南モンゴルなど各民族を事実上植民地支配下に置き、虐殺と収容、資源の収奪を行ってきたのが、中国建国後の歴史だ」と厳しく批判しています。
集会では日本維新の会の石平参議院議員氏も登壇し、「中国共産党政権は周辺民族にとって長い長い悪夢だ」と痛烈に指摘しました。さらに香港民主活動家の黎智英氏を「アジア人権賞」に選出し、国際社会に向けて人権擁護の重要性を強く訴えました。
高市首相メッセージへの中国の異例抗議
問題の発端は、高市氏が2025年10月9日に自民党総裁選出後、「南モンゴルを支援する議員連盟」会長として国際フォーラムに寄せたメッセージでした。この中で高市氏は内モンゴル自治区での人権状況に強い懸念を示し、「弾圧が続いていることに憤りを禁じ得ません。南モンゴルの方々が、自らの言葉と文化、誇りを守り、自由に生きる社会を実現できるよう、支援の輪を広げていく」と表明していました。
これに対して中国外務省の郭嘉昆副報道局長氏は翌10日の記者会見で「中国の内政に干渉している」「人権問題を政治化、道具化し、中国のイメージを傷つけ、中国の発展を遅らせる試みは失敗に終わる」などと激しく抗議しました。
「中国が内政干渉だと言うのはいつものパターン」
「人権問題に国境はない。当然の批判だ」
「高市さんの発言は正論。中国こそ反省すべき」
「チベット、ウイグル、南モンゴル、みんな同じような被害を受けている」
「中国共産党の弾圧は許されない」
中国政府が日本の政治家の人権発言にここまで激しく反応するのは異例であり、内モンゴルでの人権状況がいかに深刻であるかを物語っています。
石平議員が語る中国共産党の本質
集会に登壇した石平氏は、自身の中国での体験を踏まえて中国共産党政権の本質を鋭く批判しました。「(1966年に始まる)文化大革命の10年間、何千万人が殺され、自殺に追い込まれた。チベット人は宗教がつぶされ、土地も文化も言葉も奪われた。ウイグル人もジェノサイドの対象になっている」と振り返りました。
石平氏は中国四川省出身で、1988年に来日し2007年に日本に帰化した評論家です。2025年7月の参議院選挙で日本維新の会から当選し、中国政府からは9月に制裁措置を受けています。天安門事件をきっかけに中国共産党と決別した石平氏の発言は、体制の内側を知る者としての重みを持っています。
「中国共産党さえなければ、東アジアは幸せで平和で、まったく別の世界になる」との石平氏の指摘は、中国共産党一党支配が地域の平和と安定にとって最大の脅威であることを端的に表しています。
決議文が明かす中国の実態
東京集会が採択した決議文は、中国共産党政権による少数民族弾圧の実態を詳細に告発しています。「中国をはじめアジアの独裁体制が継続し、民主化がなされなければ、守るべき普遍的価値観は踏みにじられ、世界は全体主義に屈する。私たちはそのような未来を認めることはできない」として、自由民主主義の立場の堅持を明確に打ち出しました。
内モンゴル自治区では2020年以降、モンゴル語教育が大幅に制限され、中国語による同化政策が強化されています。さらに1960年代の文化大革命では、中国当局の公式見解でも約3万人のモンゴル人が殺害されるという悲劇が起きました。
チベットでも宗教弾圧と文化抹殺が続き、新疆ウイグル自治区では国際社会が「ジェノサイド」と認定する大規模な人権侵害が継続しています。決議文はこれらを「植民地支配」と明確に位置づけ、中国の建国以来の歴史が「虐殺と収容、資源の収奪」に彩られていると厳しく断罪しています。
黎智英氏にアジア人権賞を授与
集会では、主催する「アジア自由民主連帯協議会」が独自に設ける今年度の「アジア人権賞」を香港民主活動家の黎智英(ジミー・ライ)氏に授与することを発表しました。黎氏は香港紙「アップルデイリー」の創業者として中国批判を続け、香港国家安全維持法(国安法)違反などの罪で収監されています。
協議会は「勇気ある行動をたたえ、一日も早い解放を祈念する」と訴えました。黎氏の受賞は、香港の民主化運動と報道の自由への国際的な支援の意思を示すものです。
石平氏は最近、中国語で習近平体制を批判するユーチューブ動画の発信を始めており、コメントには中国語で「よく言ってくれた」などの称賛が大半を占めているといいます。石平氏は「中国共産党政権は多くの中国人の間で信用を失っている」との見方を示しており、中国国内での体制批判の声も高まっていることを示唆しています。
国際社会の責任と今後の展望
今回の集会には南モンゴル、ウイグル、台湾出身者のほか、カンボジアの民主活動家、日本人支援者らが参加しました。政治亡命先のドイツから来日した南モンゴルクリルタイのショブチョード・テムチルト会長氏は「日本など民主主義国家の支援を受けながら、南モンゴルの独立を達成したい」と表明しています。
集会の決議は、アジアの民主化が世界の平和と安定にとって不可欠であることを強調しています。中国共産党による一党支配体制が続く限り、周辺諸国と地域の平和は脅かされ続けることになります。
日本には世界で唯一、国会に「南モンゴルを支援する議員連盟」が存在しており、テムチルト会長氏はこのことへの謝意を表明しています。高市氏の発言は、こうした国際的な期待に応える重要な意思表示として評価されています。
人権問題に国境はありません。中国政府がいくら「内政干渉」と反発しても、人権と民主主義という普遍的価値の擁護は国際社会の共通責任です。今回の集会は、アジアの自由と民主主義を守るための国際連帯の重要性を改めて確認する機会となりました。