2025-04-22 コメント投稿する ▼
病床削減5万床に拡大 倉林議員「医療体制が崩壊の危機」政府支援策の抜本見直し訴え
病床削減、5万床に達する
政府が推進する「病床数適正化支援事業」に基づき、全国の医療機関からの病床削減申請が5万床に達した。この事業は、医療需要の変化に対応し、効率的な医療提供体制を確保することを目的としている。
しかし、医療機関の経営難が深刻化する中、病床削減に対する給付金が誘因となり、申請が殺到している。厚生労働省が都道府県に示した第1次内示では、配分額が294億円に上り、廃止届が前提となる対象病床は7,170床に達している。今後、第2次内示も予定されており、対象病床はさらに増加する見通しだ。
倉林議員、医療体制の崩壊を警告
4月22日の参議院厚生労働委員会で、日本共産党の倉林明子議員は、病床削減が医療提供体制の崩壊を招くと警告した。倉林氏は、「診療報酬引き下げと物価高で赤字が累積している病院にとって、上限50床で2億円の給付金は喉から手が出るような金額だ。政府による休廃業の加速、病院つぶしにつながる」と指摘した。また、物価高・人件費の伸びに見合った直接支援や、診療報酬の緊急引き上げ、社会保障費の予算枠組みの見直しを政府に迫った。
政府の対応と今後の課題
福岡資麿厚労相は、「関係者の意見を丁寧に聞きながら検討を進める」と述べるにとどめた。しかし、医療現場では離職が増え、賃上げが求められる中、人件費に充当可能な支援事業(2024年度補正予算で828億円)は、200床の病院でも818万円しか交付されないと批判されている。倉林氏は、「医療機関の赤字の規模は数億円単位だ。支援の枠組みが小さすぎる。ただちに全額公費による賃上げ支援策に踏み出すべきだ」と政府に迫った。
- 病床削減申請が5万床に達し、医療提供体制の崩壊が懸念されている。
- 倉林議員は、給付金が病院の休廃業を誘発していると指摘。
- 政府は、診療報酬の引き上げや直接支援の拡充を求められている。
- 医療現場では、離職や賃上げの必要性が高まっており、支援の枠組みの見直しが急務となっている。
政府は、医療機関の経営支援と医療提供体制の維持を両立させるため、迅速かつ柔軟な対応が求められている。