関西電力が美浜原発跡地に新設検討 本格説明へ 福島事故後初の原発増設計画に揺れる地元と世論

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関西電力が美浜原発跡地に新設検討 本格説明へ 福島事故後初の原発増設計画に揺れる地元と世論

関電、美浜原発跡地に“新設”検討 本格説明へ


関西電力が、福井県美浜町にある美浜原発の跡地を含むエリアで、新たな原子力発電所の建設に向けた検討を本格化させる。早ければ来週にも、地元自治体に対し説明を始める方針だ。2011年の東日本大震災と福島第一原発事故を機に停滞していた原発の新増設について、国内大手電力会社が具体的に動くのは初めてとなる。

これは単なる老朽原発の更新ではなく、新設という形での再出発を意味する。国のエネルギー政策、脱炭素戦略、そしてエネルギー安全保障の観点からも極めて大きな一歩といえる一方、地域住民や国民からは根強い懸念や慎重論も上がっている。

美浜1号機、震災前からの構想を再稼働


関電は2010年、美浜原発1号機(1970年運転開始、2015年に廃炉)について、老朽化を理由に「建て替え」案の検討を進めていた。敷地内の活用や新規立地調査も含まれていたが、翌2011年3月、東日本大震災と福島第一原発事故を受けて、計画は凍結。以降、国の原子力政策も大きく転換し、新増設は“封印”されたままだった。

しかし2022年、政府はエネルギー基本計画で「次世代革新炉の建設に向けた検討を進める」と明記。これに呼応する形で、関電は再び動き出したとみられる。今回はかつての単なる延命策ではなく、美浜の敷地内外を「ゼロベースで検討」するという。

今後、地質や地形の調査再開、建設候補地の絞り込み、地元自治体や住民への説明、さらには国のエネルギー政策との整合性確保が焦点になる。

「再エネでは足りない」電力供給の現実


背景には、日本の電力需給構造のひっ迫がある。特に関西圏では夏冬のピーク需要が逼迫し、2021年以降、複数回にわたり「電力需給ひっ迫注意報」が出された。加えて、国が掲げる2050年カーボンニュートラル目標においては、CO₂を出さないベースロード電源としての原発の必要性が改めて強調されている。

現行の原発は全国に33基あるが、稼働しているのは10基程度にとどまっている。稼働率の低さや老朽化、耐震性への懸念から、今後の安定供給には限界がある。政府は2023年に原子力規制法を改正し、運転期間の実質延長や革新炉の導入を可能にしたが、実際の建設には地元の理解と長期的なビジョンが不可欠だ。

「地元の声」置き去りにするな


一方で、新設を歓迎する声ばかりではない。福井県内では原発によってもたらされる交付金や雇用、地域経済への貢献がある半面、事故リスクや風評被害への不安も根強い。

SNS上でも、有権者の声が多数寄せられている。

「また原発をつくるのか。福島から何も学んでないのか」
「今さら地元にだけ押し付けてくるのはあまりにも無責任だ」
「再エネじゃ間に合わない?原発以外の選択肢を本気で考えてない」
「建てるなら東京湾につくってみろ。地方にばかり負担を押しつけるな」
「関電の説明、信用できるのか?事故が起きたら誰が責任を取るのか明確にしてほしい」

美浜町ではかつて原発マネーの還流や地元自治体との癒着も取り沙汰された経緯がある。新設にあたっては、透明性と説明責任が問われることになるだろう。

原子力政策の転換点か、それとも禍根か


原発の新設は、日本のエネルギー政策の大きな転換点になり得る。だがその選択は、福島第一原発事故の記憶を風化させることではない。むしろ、あの事故が突きつけた教訓をどう活かすかが問われている。

本来であれば、革新炉とはいえ「新しい原発」をつくることには国民的合意が不可欠だ。にもかかわらず、現時点では「地元説明を始める」という段階にとどまっており、全国的な議論の舞台にはなっていない。

経済合理性と安全保障、脱炭素の名の下に、原子力回帰が進んでいくのか。あるいは、再エネと技術革新による脱原発を模索するのか。関電の一手は、その分水嶺として注目される。

今後の動向次第では、美浜が「原発新時代のモデルケース」として称賛されるか、「過去の失敗を繰り返す事例」として厳しく批判されることになるかもしれない。

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2025-07-22 09:47:32(内間)

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