2025-12-01 コメント投稿する ▼
杉本達治福井県知事が12月4日辞職へ セクハラ問題で「身を引きたい」と表明
福井県の杉本達治知事は2025年12月1日、県議会全員協議会に出席し、4日付で辞職すると表明しました。 県は2025年10月22日、杉本知事から不適切な内容のテキストメッセージが送られセクハラを受けたとの通報が県職員から4月にあったと公表しました。 知事にセクハラを受けたと通報した県職員を含め、複数の職員にセクハラに当たるメッセージを送っていたことを認めました。
「一日も早く身を引きたい」杉本福井県知事がセクハラ問題で12月4日辞職へ
福井県の杉本達治知事は2025年12月1日、県議会全員協議会に出席し、4日付で辞職すると表明しました。1962年7月31日生まれの63歳で、岐阜県中津川市出身の杉本氏は、複数の県職員へのセクシャルハラスメントの責任を取る形での辞職となります。
杉本氏は「議長宛ての退職の届けを3日に提出する」と述べ、改めて謝罪。「県政の混乱と県民生活への影響を最小限に抑え、できるだけ早く身を引きたい」と語りました。
発端は職員からの内部通報
県は2025年10月22日、杉本知事から不適切な内容のテキストメッセージが送られセクハラを受けたとの通報が県職員から4月にあったと公表しました。外部弁護士3人を特別調査委員に委嘱し、事実関係を確認するとともに、類似事案の有無を調べるため同23日から職員約6千人を対象に全庁調査を進めていました。
杉本知事は11月25日に県庁で臨時記者会見を開き、辞職の意向を表明。知事にセクハラを受けたと通報した県職員を含め、複数の職員にセクハラに当たるメッセージを送っていたことを認めました。
現場の声を聞くと、関係者の受け止めは深刻です。
「こういう結末は大変残念だ」
「認識が甘すぎたと思う」
「後先考えないで行動しているのがダメ」
「セクハラはどれくらいのものなのか気になる」
「辞任は当然の結果だと感じる」
「軽口のつもり」から一転、責任認識
杉本知事は「当初は自分の認識が不十分で、冗談とか軽口の思いでメッセージを書いていた。人間として未熟だった」と釈明しました。しかし、「自分としては軽口だとか、少しふざけたつもりで書いていたということが、もともとあったんだと思う。そういうことが今見れば、これはもう、セクハラだったんだということを強く認識した」と述べています。
辞職の理由については、12月に県議会が控えていることなどを挙げ「県政の混乱を抑え、一日も早く再始動していただくためだ。知事として議会に臨むのは適当ではない」と説明しました。
手堅い県政運営から一転、道半ばの退場
杉本氏は6年前の2019年福井県知事選挙で、5選を目指した当時の現職に大差をつけ、初当選を果たし、現在2期目でした。1986年4月に旧自治省(現総務省)に入省し、福井県総務部長、福井県副知事、消防庁国民保護・防災部長、総務省公務員部長などを歴任しました。
モットーに「徹底現場主義」を掲げ、「課題は常に現場にある」として県職員にも積極的に現場に出向くよう指示し、1期目では新幹線開業効果の最大化や「ふく育県」と銘打った子育て支援の拡充などを行いました。2023年の知事選挙では、分厚い支持基盤で圧勝。翌年には半世紀にもわたる県民の悲願、北陸新幹線県内開業を福井県の代表として見届けました。
杉本知事は2024年3月の北陸新幹線県内開業を「100年に一度の好機」と位置づけ、県立恐竜博物館のリニューアルや県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館の整備、県内初のフルマラソン大会「ふくい桜マラソン」開催などハード、ソフト両面で福井の魅力向上に注力しました。
県政史上初の現職辞職知事選へ
杉本氏の4日付の辞職は、同日開催の県議会本会議に諮られる見通しです。議長が選挙管理委員会へ辞職を通知した翌日から50日以内に知事選が行われます。宮本俊議長は、8日にも県選管へ通知するとの考えを示し、その場合、2026年1月下旬までに知事選が実施されることになります。
現職の辞職に伴う選挙戦は県政史上初めてのことです。杉本氏は出直し知事選については「今、出るつもりはない」と否定しました。
専門家「早期辞職は珍しい」
一般社団法人日本ハラスメント協会の村嵜要代表理事は「ハラスメントの調査結果が公表される前に、自治体の首長が早期に辞職を決断したことは珍しい。テキストメッセージという客観的証拠の存在が、言い訳の余地がない状況となり、早期辞職につながった印象を受ける」と分析しています。
杉本知事の辞職により、北陸新幹線敦賀以西のルート決定や原発から出る使用済み核燃料の県外搬出をはじめとした原子力政策、福井市のアリーナ整備など県政の重要課題に対して道半ばでの退場となります。
県政の大きな節目を迎えた福井県では、新たなリーダーシップの下での県政運営が求められています。セクハラという深刻な問題が浮き彫りになった今回の件は、地方自治体のガバナンスの在り方を問う重要な事例となりました。