2025-11-25 コメント投稿する ▼
福井県知事杉本達治氏がセクハラ認めて電撃辞職表明 複数職員に不適切メッセージで調査結果前に責任取る
県職員へのセクシャルハラスメント通報事案の責任を取る形で、調査結果の公表を待たずに辞職を決断した異例の対応です。 杉本知事は会見で、複数の職員にセクハラに該当するテキストメッセージを送っていたことを認めました。 県は当初、調査報告書の公表を2025年1月以降とする予定でしたが、杉本知事は結果を待たずに辞職を決断しました。
福井県知事が電撃辞職表明
福井県の杉本達治知事(63歳)が2024年11月25日、県庁で臨時記者会見を開き、辞職する意向を表明しました。県職員へのセクシャルハラスメント通報事案の責任を取る形で、調査結果の公表を待たずに辞職を決断した異例の対応です。杉本氏は「相手を深く傷つけた。極めて重く責任を感じている」と謝罪し、出直し知事選には出馬しない考えを明らかにしました。
杉本知事は会見で、複数の職員にセクハラに該当するテキストメッセージを送っていたことを認めました。これまでメッセージの送信は認めていたものの、セクハラの認識については明言を避けていました。しかし、調査過程での聞き取りを通じて「セクハラだったと強く認識した」と述べ、当初の認識不足を謝罪しました。
「知事がセクハラなんて信じられない」
「認識が不足していたって、今の時代にそんな言い訳が通るの」
「県職員の方々が気の毒です」
「調査結果を待たずに辞職するなら相当悪質だったのでは」
「福井県政が混乱しないか心配」
当初は軽口のつもりが深刻な人権侵害に
杉本知事は記者会見で、メッセージについて「自分としては軽口だとか、少しふざけたつもりで書いていた」「雑談の延長で、ざっくばらんのつもりだった」と釈明しました。しかし、「人間として未熟だった」と反省の弁を述べ、現在は「複数、セクハラに当たるものがある」と認識していると明かしました。
この問題は2024年4月下旬、県職員が公益通報の外部窓口にセクハラの通報を行ったことから始まりました。県は10月22日にこの事案を公表し、ハラスメント問題の対応経験がある弁護士3人を特別調査委員に委嘱して調査を開始しました。
調査では10月23日から11月10日にかけて県職員約6000人を対象に全庁調査が実施され、杉本知事による類似事案の有無が調べられました。県は当初、調査報告書の公表を2025年1月以降とする予定でしたが、杉本知事は結果を待たずに辞職を決断しました。
異例の早期辞職に専門家も驚き
一般社団法人日本ハラスメント協会の村嵜要代表理事は、「ハラスメントの調査結果が公表される前に、自治体の首長が早期に辞職を決断したことは珍しい」と指摘しています。テキストメッセージという客観的証拠の存在が言い訳の余地がない状況を作り、早期辞職につながったと分析しています。
近年、地方自治体の首長によるハラスメント問題が全国的に相次いでいます。岐南町では前町長が99件のセクハラやパワハラで辞職に追い込まれ、沖縄県南城市では市長のセクハラ問題をめぐって市議会が解散に至るなど、深刻な事案が続発しています。
杉本知事は12月1日に開会予定の福井県議会定例会を前に、「知事として長く議会に臨むのは適当ではない。県政の混乱を抑え、一日も早く新しい体制で再始動すべきだ」と辞職の理由を説明しました。公職選挙法の規定により、辞職申し出から50日以内に出直し知事選が実施されることになります。
杉本知事は岐阜県中津川市出身の元総務官僚で、2019年の知事選で4期16年務めた現職を破って初当選し、2023年に再選を果たしていました。2期目の任期を約1年半残しての突然の辞職により、北陸新幹線の大阪延伸や原子力政策など重要課題を抱える福井県政は大きな混乱を避けられない状況となっています。