2025-11-25 コメント投稿する ▼
杉本達治福井県知事が辞職へ セクハラ疑惑で引責、総務省エリート官僚出身63歳
東京大学法学部卒業で総務省のエリート官僚出身という経歴を持つ杉本氏の突然の辞職表明は、福井県政に大きな衝撃を与えている。 2026年には北陸新幹線の敦賀延伸開業を控えており、県政の最重要課題である新幹線を活用した地域振興策の推進が急務となっている。
杉本福井県知事が辞職表明へ
セクハラ疑惑で責任を取る形、エリート官僚出身知事の失墜
福井県の杉本達治知事(63)が25日、辞職する意向を固めたことが関係者への取材で明らかになった。県職員からのセクハラに関する通報を受けており、引責とみられる。同日午後4時から県庁で記者会見し、詳細を説明する予定だ。東京大学法学部卒業で総務省のエリート官僚出身という経歴を持つ杉本氏の突然の辞職表明は、福井県政に大きな衝撃を与えている。
4月の職員通報から約1ヶ月で問題が表面化
問題の発端は2025年4月にさかのぼる。県職員が杉本知事から不適切な内容のテキストメッセージを受け取ったとして、外部の相談窓口にセクハラとして通報した。県は10月22日にこの事実を公表し、外部弁護士3人による特別調査委員会を設置して調査を進めていた。
杉本知事は通報内容が公表された際の記者会見で、メッセージを送ったこと自体は認めたものの、セクハラに当たるかどうかの認識については明言を避けていた。「調査の結果を待ち、適切に対応する」と述べるにとどまっていたが、約1ヶ月での辞職表明となった。
「やっぱりセクハラだったんじゃないか」
「知事がそんなことするなんて信じられない」
「火のないところに煙は立たないって言葉通りだな」
「福井県のイメージが悪くなる」
「北陸新幹線開業前にこんなことになるとは」
県は職員のプライバシー保護を理由に、メッセージの具体的な内容を非公表としているが、調査では類似事案の有無を調べるため、県職員約6000人を対象とした全庁調査も実施されていた。これは事案の深刻さを物語っている。
総務省エリート官僚から知事へのキャリア
杉本氏は1962年7月31日生まれの63歳。岐阜県中津川市出身で、1986年に東京大学法学部を卒業後、旧自治省(現総務省)に入省した典型的なエリート官僚だった。片山虎之助総務大臣の秘書官を務めるなど、中央官僚として順調にキャリアを積んだ。
2013年には福井県副知事に就任し、地方行政の経験を積んだ後、総務省消防庁国民保護・防災部長、自治行政局公務員部長などの要職を歴任。2019年に無所属で福井県知事選挙に初出馬し、当時現職だった西川一誠氏らを破って初当選、2023年には再選を果たしていた。
知事としては「徹底現場主義」を掲げ、北陸新幹線の県内開業に向けた準備や、新型コロナウイルス対策などに取り組んできた。公私では妻と2人の子供がおり、趣味はウォーキングとパン作りという家庭的な一面もアピールしていた。
北陸新幹線開業を控えた重要な時期での辞職
杉本知事の辞職は、福井県にとって極めて重要な時期での出来事となった。2026年には北陸新幹線の敦賀延伸開業を控えており、県政の最重要課題である新幹線を活用した地域振興策の推進が急務となっている。
また、人口減少対策や産業振興、コロナ後の観光回復など、多くの政策課題を抱える中での知事不在は県政の停滞を招く恐れがある。杉本氏は月収130万円、期末手当559万円で年収約2119万円という待遇を受けていたが、セクハラ疑惑という個人的な問題で県民の期待を裏切る結果となった。
今回の事案は、地方自治体のトップとしての倫理観と責任の重さを改めて問いかけている。県民からは「信頼していたのに」「恥ずかしい」といった厳しい声が上がっており、後任知事の選出と県政の立て直しが急務となっている。エリート官僚出身という経歴への信頼があっただけに、県民の失望は大きく、福井県政の信頼回復には時間がかかりそうだ。