伊東万博相、地下鉄停止で帰宅困難に陳謝　政府内で対応検証へ

伊東万博相、地下鉄停止による帰宅困難で陳謝

大阪・関西万博の会場につながる唯一の地下鉄・大阪メトロ中央線が停電により運転を見合わせ、多くの来場者が帰宅できなくなった問題で、伊東万博担当大臣は14日の記者会見で「大変なご迷惑をおかけした」と陳謝した。あわせて、会場運営や代替交通の確保に課題があったと認め、政府として対応の検証を進める姿勢を示した。

唯一のアクセス路線が止まる脆弱さ

トラブルが起きたのは13日午後9時半ごろ。会場と直結する大阪メトロ中央線が停電で運転を停止し、帰宅の足を失った来場者が会場にとどまらざるを得ない状況となった。博覧会協会は休憩所の設置やバス・タクシーの確保を急いだが、十分な対応が追いつかず混乱が生じた。唯一のアクセス路線に依存する万博輸送計画の脆弱さが浮き彫りになった形だ。

政府内で再発防止へ検証

伊東大臣は「再発防止や今後の対応を含め、課題を洗い出したうえで対策を講じる」と表明。政府内でも今回の事態を検証対象とし、代替交通の確保や会場運営マニュアルの見直しを検討する考えを明らかにした。また「来場者の安全・安心の確保を最優先に日々の運営にあたりたい」と強調した。

市民やネット上の反応

SNSやネット上では、今回の混乱に不安や批判が相次いだ。

「地下鉄一本に頼る体制に無理がある」
「帰宅困難者を出す時点で計画ミスだ」
「バスや船など複数のアクセス手段を準備すべき」
「この状態で本番に数千万人もさばけるのか」
「安全対策よりもまず減税で国民生活を守るべきだ」

来場者の安全確保だけでなく、巨額の国費が投入される万博の運営体制そのものに疑問を呈する声も目立つ。

万博運営への信頼が問われる

大阪・関西万博は2025年に開催を予定しており、海外からも多くの来場者が見込まれる。今回のトラブルは「模擬本番」とも言える試金石であり、運営体制の脆弱さを示す警鐘となった。石破政権としても、インフラ依存の危うさをどう補うのか、国民生活への負担と巨額予算投入をどう説明するのかが問われる。

再発防止策の実効性が確保できなければ、国民の不安と批判は一層強まり、万博への信頼そのものが揺らぐ恐れがある。