2025-07-14 コメント投稿する ▼
泉房穂氏が挑む“異例の選挙戦” 暴言批判と“追跡演説”かわすステルス戦術の真意
前明石市長・泉房穂氏、兵庫から国政へ
かつて明石市長として「子育て支援日本一のまち」を実現し、全国的にも注目を集めた泉房穂氏が、今回の参議院選挙(兵庫選挙区)で国政復帰をかけて立候補した。市長時代に打ち出した独自の福祉政策や、市役所の改革手法が高く評価された一方で、職員への暴言や過激な発言でもたびたび世間を騒がせた人物でもある。
政界引退を明言していたにもかかわらず、再び選挙に出馬したことに対しては賛否が分かれているが、泉氏は「政治を現場の力で変える」という信念を掲げて、再挑戦に踏み切った。「政治家としてではなく、“現場主義者”としてもう一度国政に関わりたい」と語る泉氏。その背景には、明石市で実現してきた福祉や教育政策を、国政レベルでも制度化したいという強い思いがある。
“追撃演説”に沈黙 あえての「ステルス戦術」
今選挙で泉氏がとった戦術は、極めて異例だ。SNSなどを通じた活動予定の発信は一切行わず、演説地を事前に告知しない「ステルス選挙」を展開。これにより、ネット上で泉氏を執拗に批判し“追いかけ演説”を予告していた立花孝志氏の行動を回避する狙いがある。
公示日の第一声も、神戸などの主要都市を避け、兵庫県姫路市沖の離島・家島諸島で漁船の上から行うという徹底ぶり。その後も“ゲリラ的”に各地を訪れ、無告知で演説を行うという選挙戦を続けている。
陣営の一人は、「本来の選挙とは、政策を真剣に語り、支持を訴えるもの。話題作りや妨害狙いの候補に振り回されてはいけない」と語る。泉氏自身も、「注目を集めるためではなく、実際に困っている人に会い、声を聞きたい」と語り、見せかけではない“市民の側に立った選挙”を貫いている。
「演説に人が自然と集まるのが泉さんらしい」
「SNSで炎上合戦するより、現場で支持されてる感じが強い」
「子育て支援を全国に広げてほしい。泉さんならできる」
「一度引退した人が戻ってくるのは珍しいけど応援したい」
「話題先行の選挙じゃなく、政策を見て判断したい」
「暴言市長」批判に真正面から向き合う
明石市長時代、泉氏は強い言葉で職員を叱責した音声が拡散され、「暴言市長」と報じられた。その後、謝罪と市民への説明を繰り返し、支持を回復。結果的に市民からの信任を得て市長として再選を果たした経緯がある。
今回の選挙戦でも、対立候補である立花氏が泉氏の“暴言歴”や“政界引退撤回”を繰り返し批判しているが、泉氏は正面から反論せず、「過去の自分に対する批判は真摯に受け止め、今の行動で示す」と静かに語る。
かつての騒動を“武器”にされながらも、再び立候補した理由は何か。泉氏は「多くの自治体で、少子化や貧困、孤独の問題が進んでいる。国政で制度を変えないと地方では限界がある」と話す。つまり、自身の過去も含めて、“今、何ができるか”で勝負したいという姿勢なのだ。
目立つのは“手法”ではなく“政策”であるべき
泉氏の掲げる公約は、子育て支援の無償化、教育機会の格差是正、ひとり親家庭への支援拡充など、いずれも市長時代の延長線にある具体策だ。「現場で機能した政策を、今度は国で動かす」というロジックには説得力がある。
一方で、選挙戦全体が“目立つための戦術”ばかりに注目され、政策議論が埋もれているのは残念だ。泉氏自身も「どんなに優れた政策でも、注目されなければ意味がない。それが今の選挙の矛盾だ」と漏らす。
だが、SNSやマスコミによって“演出された対立”が拡散される中でも、各地で泉氏の姿を見かけた市民が自ら集まり、耳を傾け、声をかける光景が増えているという。話題性よりも、じわじわと人を動かす実績と信頼。それこそが、泉房穂という政治家の本質なのかもしれない。