2025-07-31 コメント: 1件 ▼
望月良男氏を自民党が除名処分 「二階vs世耕」保守分裂が和歌山県連を揺るがす
自民党和歌山県連が望月氏を除名 「二階vs世耕」保守分裂の火種くすぶるまま参院選の後遺症続く
2025年参院選の余波が、自民党和歌山県連を大きく揺らしている。7月31日、県連の党紀委員会は、和歌山選挙区で無所属ながら当選した元有田市長・望月良男氏(53)を「党規違反」として除名処分にした。背景にあるのは、長年の県内主導権争いとして続いてきた「二階派vs世耕派」の確執だ。今回の処分は、選挙後も癒えぬ“保守分裂の後遺症”を浮き彫りにした。
望月氏は除名処分 二階公認候補に対抗して出馬
望月氏は当初、自民党からの公認を目指していたが、県連役員による投票で二階伸康氏(47)が公認候補に選出され落選。その後、公認を得られなかった望月氏は離党届を提出し、無所属で立候補。選挙戦では、自民党を離れた世耕弘成・元経産相の全面的な支援を受け、見事当選を果たした。
二階伸康氏は、父にあたる元幹事長・二階俊博氏の後継として党内でも注目される存在だったが、結果は保守票の割れを招き、望月氏に軍配が上がった。
県連は望月氏が提出していた離党届をいったん保留していたが、参院選翌日の7月21日、代表役員会で除名方針を固め、25日と31日に開催された党紀委員会で「誓約書に違反した」として正式に除名を決定した。
「結局また自民の内輪揉め。県民不在の党内抗争ばかり」
「誓約書の存在ってまるで“踏み絵”みたいだね」
「保守分裂はもう構造的な問題。除名しても根は絶てない」
「二階派と世耕派、どっちの言い分も県民には関係ない」
「望月さんは市民の支持で勝ったのだから、それが事実」
処分に対する市民の受け止めは冷ややかで、政党よりも候補者個人に信頼を置く風潮が広がっている。
二階氏と世耕氏の主導権争いが再燃
望月氏を巡る今回の選挙構図は、実質的には「二階派vs世耕派」の代理戦争だった。昨年の衆院選和歌山2区でも同様の構図で分裂選挙となり、保守陣営の内部対立は根深い。今回も党内からは「公認候補が誓約書を得ても、分裂は防げなかった」との嘆きが聞かれ、石田真敏県連会長(元総務相)はその責任をとる形で辞任届を提出した。
また、望月氏の選挙を支援した県議に対しても厳重注意が下されたほか、党紀委員長が辞任するなど、波紋は広がり続けている。除名処分に踏み切った県連としても、問題の根本解決には至らず、組織の信頼回復はなお道半ばだ。
制度や誓約よりも「地元の信任」優先か
選挙前に提出されたという「誓約書」は、候補者同士の足並みをそろえるための手段だが、党内で選ばれなかった者が地域からの信任を受けて当選するという現実も存在する。望月氏はかつて有田市長を務めた実績もあり、地域の根強い支持を背景に当選を果たした。
制度上の党紀処分と、地元有権者の判断がズレた時、どちらが“政治の正当性”を担保するのか。この矛盾が今回の除名処分をより複雑なものにしている。
政党の規律と地元の民意がぶつかる場面で、政党がどう自らのあり方を再定義するかが問われている。除名で禊を済ませたとは到底言えず、むしろ自民党内の構造的対立と、地元有権者との乖離が深まった印象を残した。