2025-07-09 コメント投稿する ▼
「候補者なら何をされてもいいのか」 社民・大椿裕子氏への侮辱行為に波紋 女性候補への妨害相次ぐ
街頭での「くるくるパー」ジェスチャーに抗議
参院選の比例代表に立候補している社民党・大椿裕子副党首が、街頭活動中に一般男性から侮蔑的なジェスチャーを受けたことが波紋を広げている。大椿氏は9日、自身のX(旧Twitter)アカウントでその様子を投稿し、「候補者だったら何をされてもいいのか」と強く訴えた。
問題の行為は、大椿氏に対して男性が「くるくるパー」というジェスチャーをしたというもの。これに対し大椿氏が「初対面でそんなことをするのか」と問いただすと、男性は「公人だからある程度は仕方ない」と主張。これに対し大椿氏は、「そういうことがあるから、選挙に出ること自体が嫌になる」と心情を明かした。
「こういう人が普通に街中にいるって怖い」
「候補者でも一人の人間。公人だからって侮辱OKじゃない」
「批判と侮辱は違う。言論の自由を履き違えてる」
「意見が違うなら無視すればいいだけ。なぜ敵意をぶつけるのか」
「男性候補にはこういうことあまり起きてないよね」
「女は給料低くて当然」発言に怒り
さらに、同じ男性は「人間の価値はある程度年収で決まる」「ある程度女性の方が賃金を低くしないと」といった持論を展開。これに対して大椿氏は、「なぜ女性がそんな目に遭わなければならないのか」「男が偉そうにしているという自覚があるのか」と真っ向から反論した。
このやり取りがネット上で公開されると、性差別的発言と女性候補者への攻撃が重なった事例として多くの注目を集めた。とくに政治に参加する女性へのハードルの高さが改めて浮き彫りになっている。
相次ぐ女性候補への妨害行為
今回の大椿氏のケースに限らず、今回の参院選では女性候補への妨害行為が多発している。自民党の杉田水脈氏は街頭演説中に怒号を浴びせられ、国民民主党の牛田茉友氏は車による長時間の追跡被害を訴えている。参政党のさや氏に至っては殺害予告を受け、警察が動く事態に発展した。
こうした行為の多くが、候補者が女性であることに乗じて行われている点に、専門家は「政治的意見を理由にした人格攻撃であり、民主主義の根幹を脅かす」と警鐘を鳴らしている。
「候補者=攻撃対象」の風潮に警戒感
選挙戦は、候補者にとって主張を届ける場であると同時に、誹謗中傷や嫌がらせと向き合わなければならない過酷な舞台にもなっている。とりわけ女性候補は、性別に基づく侮蔑や偏見とセットで向き合わされる場面が多い。
「公人だから何を言ってもいい」という論理は、言論の自由の名のもとに暴言や嫌がらせを正当化する危険性をはらむ。候補者もひとりの市民である以上、人格的な尊重が必要だという原則を、今一度社会全体で共有すべき時が来ている。