田中とも子氏が北多摩3区で議席奪還へ再挑戦　暮らし支える実績で勝負

共産・田中氏が再び都議会へ挑戦　「実現力ある政治」を強調

東京都議会議員選挙・北多摩3区（定数3／調布市・狛江市）において、日本共産党の田中とも子候補が14日、狛江駅前で街頭演説を行い、都議会への返り咲きを目指す決意を示した。田中氏はかつて都議を務めた経験を持ち、「諦めずに訴え続け、実現に導いてきた政策こそが、共産党の真骨頂」と語った。

共演には党政策委員長の山添拓参院議員も登壇し、「田中さんは現場を歩き、住民の声を聞き、それを都政に届けてきた数少ない政治家だ」と賛辞を送った。田中氏の「路線バスをまもる、ふやす」という公約にも触れ、「コロナ禍で路線が廃止・減便されるなか、京王や小田急にも直接交渉し、存続を働きかけてきた」と具体的な行動を紹介した。

子ども医療費・シルバーパスなど生活に密着した実績をアピール

田中氏は演説で、過去に取り組んできた「シルバーパスの値下げ」や「子どもの医療費無償化」などを例に挙げ、「反対していた都知事や与党を説得し、他会派とも連携して実現にこぎつけた」と強調。「共産党は単なる反対勢力ではなく、実現力のある提案政党です」と力を込めた。

また、「中小企業の賃上げ支援や、医療・介護分野で働く人々の処遇改善、住宅支援など、暮らしの底上げに直結する政策を都政でさらに推し進めたい」と述べ、現場を起点とする政策形成の姿勢を貫く姿勢を示した。

複数勢力が割拠する激戦　田中氏の存在感が問われる

北多摩3区では、自民党と都民ファーストの会の現職、公明党と地域政党「再生の道」の新人が立候補しており、田中氏にとっては議席奪還をかけた熾烈な戦いとなっている。

しかし田中氏は「数ではなく中身が大事。私は暮らしのために、誰とでも話し合い、実現を目指してきた」と語り、自身の都政での実績を訴えた。路線バスの維持や生活インフラの支援など、地に足のついたテーマを掲げる田中氏の存在は、有権者の共感をどこまで広げられるかが鍵となる。

共産の「平和と暮らし」訴えも共鳴するか

応援に駆けつけた山添氏は、「日本学術会議の任命拒否に象徴されるように、政治が学問や自由を脅かしている」と述べ、「東京から平和と暮らしを守る政治をつくるために、田中候補に託してほしい」と呼びかけた。

共産党が掲げる「反戦平和」のメッセージに対しては、都政の課題との接点が見えづらいという声もある一方、政治的な圧力に屈しない姿勢に共感する有権者も一定数存在している。田中氏が実務と理念の両輪をどうバランスよく訴えていくかが注目される。

ネットの声

「田中さんの話は具体的。子どもの医療費やバスのこと、ほんとに大事」
「シルバーパスの値下げを実現させたってすごい。高齢者に優しい都政が必要」
「共産党って反対ばかりってイメージあったけど、田中さんは違うかも」
「正直、与党候補はどれも同じように見える。田中さんは信念がある感じ」
「反戦とか平和も大事だけど、まずは生活をどう支えるかの具体策を聞きたい」

選挙戦は後半に入り、候補者の政策や実績がよりシビアに見られる段階に入った。田中氏が「都政に再び戻ってほしい候補者」として支持を広げられるかどうか、有権者の冷静な判断が問われる。