2025-06-29 コメント投稿する ▼
斉藤鉄夫が語る建設業の再生戦略──価格転嫁、週休2日制、20兆円中期計画の真意とは?
建設業界出身の政治家としての使命
「私は清水建設で17年間働きました」。こう語るのは、公明党代表・斉藤鉄夫氏。建設業界出身の政治家として、現場を知る者の立場から語る言葉には重みがある。かつて同社の技術研究所で鉄筋構造に関する研究に従事していた斉藤氏は、「建設業は国民生活の根幹を担う“住”の領域であり、魅力ある産業だ」と断言する。
また、2021年までの3年間は国土交通大臣としても手腕を発揮。改正建設業法や“担い手3法”と呼ばれる法律整備を通じて、業界の構造的課題に取り組んできた。今、斉藤氏が掲げるキーワードは「持続可能な建設業」だ。
その背景には、建設就業者が30年で3割も減少し、現場の高齢化と担い手不足が深刻化しているという現状がある。民主党政権下で大幅に削減された公共投資が業界に打撃を与えたと指摘し、「あの時の失策が今に響いている」と強調した。
「現場経験ある政治家って、やっぱ違うね」
「こういう人が大臣やってたのは安心感ある」
「民主党時代の公共投資削減、今でも恨んでる」
「ちゃんと現場に足を運んでる人の声って信用できる」
「建設業=公共事業=悪、みたいな風潮を変えてほしい」
“歩切り”の是正と価格転嫁の実現
建設業界を巡っては、自治体が公共工事を発注する際、積算根拠を無視して見積額を機械的に減額する「歩切り」の慣行が、いまだ残っていると言われる。これが中小建設業者の収益を圧迫し、働き手の処遇悪化に直結している。
斉藤氏はこの問題を深刻に受け止め、「価格高騰時には請負代金の見直しが可能となる“スライド条項”を、民間発注工事にも広げる仕組みが必要だ」と指摘。昨年成立した改正担い手3法には、こうした価格転嫁の仕組みを盛り込んだ。
「国の制度改正だけでなく、自治体の意識改革も急務」とし、公明党の国と地方のネットワークを生かして是正に取り組む姿勢を示した。
働き方改革と若者・女性の参入促進
「週休2日制の徹底は、働き方改革の要です」。斉藤氏が特に力を入れているのが、建設業界の労働環境改善だ。現場の過重労働や長時間勤務が若者や女性の参入を阻んでいるとして、制度面だけでなく、現場の運用改善にも取り組んでいる。
国交相時代には、埼玉県で行われている荒川第二調節池の整備現場を視察。そこでは冷房完備の操作室で、女性技術者がドローンや遠隔操作の重機を駆使して作業していたという。この経験から「建設現場は“男の職場”ではない。最先端技術の導入により、安全で快適な作業環境を整備すれば、誰もが活躍できる」と訴える。
「ドローン操作の女性現場監督、めっちゃカッコいい」
「建設業って古臭いイメージだったけど変わってきてる」
「週休2日が本当に徹底されるなら入りたい若者もいるはず」
「労働環境の見える化、もっとやって」
「公明党がこういう分野に本気で取り組むのは評価できる」
20兆円規模の中期計画と未来への投資
2025年度からの5年間、政府は防災・減災、国土強靱化に向けた中期計画として20兆円超の公共投資を閣議決定した。これは当初予算とは別枠で確保されるものであり、斉藤氏の主導で実現した成果だ。
この計画には「今後の資材価格や人件費高騰を予算編成に適切に反映する」と明記されている。斉藤氏は「これまでの“予算は据え置き、現場は自己努力”という構図を打破する。予算も環境もセットで整えることが建設業再生の鍵だ」と力を込めた。
建設業を“未来への投資”と捉え、災害に強いインフラ整備、老朽化した公共施設の更新などに向けて、現実的かつ持続可能な制度設計を進めていく姿勢を示した。
地域を守る建設業に敬意と支援を
斉藤氏は「災害時に真っ先に駆けつけるのは地元の建設業者だ」と繰り返し強調する。そのためにも、自治体が十分な予算を確保し、地場企業が健全に存続できる発注体制を構築することが不可欠だ。
「単に予算を増やすだけではダメ。現場に届く仕組みにしなければ意味がない」とし、今後も現場と政策の橋渡し役を担う決意を語った。
公明党の代表として、また建設業界の元技術者としての矜持を持つ斉藤鉄夫氏。その発言には、単なる理論ではなく、実際に現場で汗を流した人間のリアリティがにじむ。建設業界が次世代へと持続可能に継がれるために、こうした政治家の実行力が今こそ問われている。