2026-02-25 コメント投稿する ▼
深刻化する「引っ越し難民」問題:2024年問題と人手不足が招く春の危機
それは、希望する時期に引っ越しができない「引っ越し難民」の問題です。 アート引越センターでは、3月末から4月初旬という最も混雑する時期の予約が、3月初旬にはすでに埋まってしまう状況です。 「引っ越し難民」とは、引っ越しを希望しているのに、業者が見つからなかったり、予算を大幅に超える料金を提示されたりして、予定通りに転居できない人たちのことです。
進学や就職、転勤などが重なるこの時期は、例年多くの人が移動します。しかし、今年はこれまで以上に予約が取りにくく、料金も高騰する傾向にあります。この問題の背景には、物流業界が抱える構造的な課題が深く関わっています。
物流の「2024年問題」がもたらした深刻な影響
まず背景として理解しておくべきなのが、物流業界の「2024年問題」です。これは、トラック運転手の労働環境を改善するために、残業時間に厳しい上限が設けられたことを指します。
運転手の健康を守るための大切なルールですが、一方で、一人が運べる荷物の量が減ってしまうという側面もあります。この規制強化から時間が経過した2026年現在、引っ越し業界でも人手不足がよりいっそう深刻なものとなっています。
限られた人手で業務を回さなければならないため、引っ越し業者は以前よりも多くの依頼を引き受けることが難しくなっているのです。
人手不足とコスト上昇が直撃する引っ越し業界
現状の分析として、業界大手の動きを見てみましょう。アート引越センターでは、3月末から4月初旬という最も混雑する時期の予約が、3月初旬にはすでに埋まってしまう状況です。
同社は駅前に出張所を作ってアルバイトを募集するなど、人手の確保に全力を挙げていますが、それでも十分な人数を揃えるのは難しいと説明しています。
また、サカイ引越センターでは、多くの荷物を運ぶファミリー層の依頼を優先するため、単身者の引っ越しを協力会社に依頼するなどの工夫をしています。しかし、それでも全ての希望に応えることはできず、泣く泣く依頼を断るケースも出ているのが実情です。
3月から4月に集中する需要と「特に混雑」する期間
国土交通省のデータによると、3月の引っ越し件数は通常の月の約2倍にまで膨れ上がります。4月も通常の約1.5倍と、非常に高い水準が続きます。
特に2026年は、3月14日から4月5日までの期間が「特に混雑する時期」として予測されています。この約3週間に需要が集中することで、トラックや作業員の奪い合いが起きているのです。
このように特定の時期に予約が殺到することが、料金を押し上げる大きな要因にもなっています。人件費の上昇や燃料代の高騰も重なり、利用者の負担は年々増え続けています。
希望日に動けない「引っ越し難民」の実態
「引っ越し難民」とは、引っ越しを希望しているのに、業者が見つからなかったり、予算を大幅に超える料金を提示されたりして、予定通りに転居できない人たちのことです。
もし引っ越しができなければ、新生活のスタートに間に合わないという深刻な事態を招きます。入居日が決まっているのに荷物を運べない、あるいは法外な料金を支払わざるを得ないといった状況は、家計にとっても大きな打撃です。
こうした事態を避けるために、消費者はこれまで以上に早い段階での準備と、柔軟な計画立てが求められるようになっています。
政府と業界が呼びかける「分散引越し」の重要性
この危機的な状況を受けて、政府や業界団体は「分散引越し」を強く呼びかけています。これは、混雑する3月末から4月初旬を避け、時期を前後にずらして引っ越しを行うという考え方です。
例えば、3月の上旬や4月の中旬以降に時期をずらすだけで、予約が取りやすくなるだけでなく、料金を安く抑えられる可能性が高まります。
また、平日に引っ越しを行ったり、時間指定をしない「フリー便」を利用したりすることも有効な対策です。新生活をスムーズに始めるためには、社会全体で引っ越しの時期を分散させ、現場の負担を減らしていく工夫が必要不可欠となっています。