2026-02-15 コメント投稿する ▼
創価学会票は中道に流れたか、東京3選挙区の分析で見えた組織票の限界
しかし小選挙区では軒並み敗北し、学会員が長年戦ってきた立憲民主党出身の候補者を支援することへの抵抗が浮き彫りになった。 時事通信の分析は、東京都議選での各党の得票数を基礎票として、今回の衆院選での中道候補の得票と比較することで、学会員の投票行動を推定した。
創価学会票は中道候補に流れたのか
東京3選挙区の分析で見えた組織の限界
2026年衆院選で惨敗した中道改革連合は、公明党の支持母体である創価学会の集票力を期待していた。しかし小選挙区では軒並み敗北し、学会員が長年戦ってきた立憲民主党出身の候補者を支援することへの抵抗が浮き彫りになった。東京の3選挙区の詳細な分析から、学会員の投票行動と組織票の実態が見えてきた。
中道改革連合は公示前の172議席から49議席へと3分の1以下に激減した。公明出身の候補者28人は全員が比例代表で当選したのに対し、立憲民主党出身者で小選挙区から出馬した候補者は全国で軒並み敗北を喫した。公明党の選挙を長年支えてきた創価学会員にとって、中道勢力の結集という大義はあっても、かつての政敵を支援することには大きな抵抗があったとみられる。
時事通信の分析は、東京都議選での各党の得票数を基礎票として、今回の衆院選での中道候補の得票と比較することで、学会員の投票行動を推定した。選挙区事情が異なる東京29区、17区、15区の3選挙区から、創価学会票の動きを探った。
東京29区では最大7割、最小5割か
東京29区は荒川区全域と足立区の約3分の1が選挙区で、2024年10月の前回衆院選では公明党の岡本三成氏が当選していた。今回は岡本氏が比例に回り、立憲民主党出身の木村剛司氏が中道から出馬したが、自民党の長沢興祐氏に大差で敗れた。
都議選での公明党の得票から推定すると、29区での学会の集票力は最大で約3万3400票となる。しかし木村氏の得票は4万5358票にとどまり、前回の4万7996票からも減少した。一方、自民党候補は8万0538票を獲得し、投票率上昇の恩恵を受けた。
ある党関係者は「木村氏に票を投じた学会員は多く見積もって7割、少なめに見て5割」との見方を示す。前回、公明党が推した岡本氏を自民党が支援した経緯があり、多くの学会員が今回戦った木村氏を支援することに抵抗を感じたことが、この数字に表れている。
東京17区では反平沢票が結集
東京17区は葛飾区全域で、公明党が毎回、自民党の平沢勝栄氏を推薦しない特殊な選挙区だ。1996年の選挙で山口那津男元代表が平沢氏に敗れた経緯から、学会員の平沢氏への反発が今なお根強いとされる。
今回、中道の反田麻里氏は4万4594票で次点だったが、国民民主党の長谷川貴子氏と無所属の円より子氏を合わせた票は8万0204票となり、平沢氏の7万3234票を上回った。都議選での公明と立憲民主党の票を合わせると4万2626票で反田氏に肉薄し、前回国民民主党に投票した学会員のほとんどが今回は反田氏に投票したことがうかがえる。
反平沢という明確な共通目標があった17区では、学会員の多くが中道候補を支援したと推定される。しかし平沢氏が勝利したことは、高市旋風の前に組織票だけでは勝てなかったことを示している。
東京15区では組織固め成功も及ばず
東京15区は江東区全域で、公明党の支援する候補が自民党から立憲民主党出身の中道候補に変わった選挙区だ。前回、立憲民主党の酒井菜摘氏が6万6791票で当選していたが、今回は自民党の大空幸星氏が10万9489票と大幅に得票を伸ばした。
酒井氏も7万0911票に増やし、得票率27.5パーセントを維持した。都議選での公明と立憲民主党を合わせた約4万5000票を基礎票と仮定すると、酒井氏の得票から共産党票を差し引いても、中道の基礎票より多い。中道が江東区で得た比例票は4万0734票で、学会員の多数は酒井氏に投票し、大空氏に流れたのはわずかだった可能性が高い。
15区では組織固めに比較的成功したものの、高市政権への支持拡大という大きな流れの前には及ばなかった。超短期決戦により、公明出身者が名簿上位を占めた比例を重視し、小選挙区まで手が回らなかった面もあるだろう。