2025-12-09 コメント投稿する ▼
米軍横田基地パラシュート降下事故で斉藤まりこ都議が小池知事に訓練中止を要求
米軍横田基地の降下訓練で住民の頭上に米兵が落下し、さらに児童館にパラシュートが落ちる事故が相次いでいます。 米軍は「部隊の即応性維持のために不可欠」として、わずか2日後の20日に訓練を再開しましたが、同日に再び福生市の児童館敷地内にパラシュートが落下したことが判明しました。 厳しく抗議し、危険なパラシュート降下訓練の中止を求めるべきだ」と迫りました。
米軍「隠蔽体質」に都議が猛反発
米軍横田基地の降下訓練で住民の頭上に米兵が落下し、さらに児童館にパラシュートが落ちる事故が相次いでいます。2025年11月18日に羽村市の民家に米兵が落下、屋根を破損しました。米軍は「部隊の即応性維持のために不可欠」として、わずか2日後の20日に訓練を再開しましたが、同日に再び福生市の児童館敷地内にパラシュートが落下したことが判明しました。
この事故について米軍は、夜間に無断で児童館敷地に侵入してパラシュートを回収していたとされています。東京都への情報提供は事故から2週間以上が過ぎた12月8日になってからでした。都民からは住民軽視の姿勢に対して強い批判の声が上がっています。
「子どもが怯えて抱きついてきた、こんな危険な訓練やめて」
「線路の上だったらどうなっていたか、死亡事故になっていた」
「児童館に無断侵入なんて隠蔽以外の何物でもない」
「住民への謝罪もなく訓練再開とは住民をバカにしている」
「横田基地周辺は住宅密集地、そもそも降下訓練をするべきじゃない」
都議会で知事に厳しく迫る
12月9日の都議会代表質問で、日本共産党の斉藤まりこ都議が小池百合子知事に対して厳しく抗議しました。斉藤都議は「住民の命にも関わる重大な事故だ。厳しく抗議し、危険なパラシュート降下訓練の中止を求めるべきだ」と迫りました。
谷崎馨一都技監は「降下訓練における場外降着は、一歩間違えれば人命に関わる重大な事故につながりかねない」として、原因究明や再発防止策を講じるまでは訓練を行わないよう要請したと答えました。しかし、米軍は自治体の要請を無視して訓練を継続しているのが現状です。
斉藤都議は再質問で、米軍の隠蔽体質を厳しく批判しました。「米軍の隠蔽と言う他ない。知事が直接抗議し、訓練中止を求めるべきだ」と求めました。
過去にも繰り返される危険な事故
横田基地でのパラシュート関連事故は今回で5件目となります。2018年4月には羽村市の中学校テニスコートに誘導傘が落下、2019年1月には連日でパラシュート関連の落下事故が発生しています。使用されているパラシュートは特殊作戦部隊が使用する長方形のもので、高高度から降下を開始して地表近くでパラシュートを開く危険な訓練です。
米政府監査院の報告によると、2012年から2022年の会計年度における米軍の全死亡事故48件のうち16件がパラシュート降下訓練によるものとなっており、特殊部隊でも死亡事故が多発する極めて危険な訓練であることが分かります。
横田基地では米軍の作戦拠点化が進んでおり、C130J輸送機の操縦士は45日以内の間隔で資格認定を受けなければなりません。これが住宅密集地での危険な訓練を繰り返す背景となっています。
住民の不安は限界点に
落下現場周辺の住民からは不安と怒りの声が相次いでいます。羽村平和委員会の高橋美枝子さんは「落下地点周辺は電車が走り自動車の通行量も多く、一歩間違えれば大惨事です。危険なパラシュート降下訓練は禁止を」と訴えています。
横田基地の撤去を求める西多摩の会の寉田一忠さんは「基地から3キロも離れた場所に落下している。青梅線をまたいでいることに驚いた。住民の命にかかわる事故になっていた重大性に、米軍も国も思いがいたっていない」と憤りを表明しました。
東京都と周辺市町の連絡協議会は12月8日、米軍に対して原因究明と再発防止策を講じるまで同様の訓練を行わないよう要請しましたが、米軍の対応は不透明なままです。住民の安全を無視した訓練の継続に対して、都民の怒りは高まる一方です。