2025-06-08 コメント投稿する ▼
とや英津子都議が訴える「都民に優しい東京」構想──共産党の政策は本当に実現可能か
とや英津子都議、3期目へ──「都民の暮らし守る都政を」
東京都議会議員選挙(6月13日告示、22日投票)を目前に控え、共産党都議のとや英津子氏(練馬区選出)が3期目に挑む構えを鮮明にした。6月8日、練馬区内での街頭演説に小池晃書記局長(参院選比例予定候補)も駆けつけ、「とやさんの宝の議席を必ず守り抜こう」と力強く訴えた。
小池氏は、とや氏のこれまでの議会活動を「実績のかたまり」と評価。特に、コロナ禍で経営危機に直面した医療・介護施設の実態を取り上げ、民間病院への321億円の補助を引き出したことや、介護職員の待遇改善などの成果を紹介し、会場の聴衆から拍手が上がった。
また、文教委員会理事として都内の学校給食費無償化を推進したことについても言及。小池氏は「都議会での地道な追及があったからこそ、都民の運動と連携し成果を生んだ。これは都政にとって大きな前進だ」と称えた。
「教育は未来への投資」──子ども目線の政策提案
とや氏自身もマイクを握り、子どもたちの教育環境をめぐる課題を真っ先に取り上げた。
「教育とは、子ども一人ひとりが主体的に生きていけるようにするための土台です。少人数学級や教員の大幅増員、そして修学旅行や学用品の無償化を実現したい」
とや氏の声には切実さがにじむ。都内では教員不足や過密学級が続き、保護者からの不安の声が後を絶たない。とや氏は「子どもを取り巻く環境を根本から見直す必要がある」として、通学定期券の補助や朝鮮学校への補助金再開など、教育分野における支援策を数多く掲げた。
もっとも、朝鮮学校への補助金復活に関しては世論が割れる部分もあり、保守層からは「都民全体の理解を得る必要がある」との批判も根強い。だが、とや氏は「教育に政治的偏見を持ち込んではいけない」と強く訴える。
福祉・生活支援で“共産党都政”を印象づけ
とや氏が重視するもう一つの柱が、都民の生活を支える福祉政策だ。物価高騰が続く中、高齢者や障がい者への支援が十分かと問われれば、答えは否である。
小池書記局長は演説の中で、シルバーパスの値下げや補聴器購入助成、水道料金の引き下げといった共産党都議団の“成果”を列挙し、「都政の中で19議席を持つ野党第一党だからこそできた」と胸を張った。
ただし、水道料金無料化については「共産党の提案を小池都知事が真似た」との主張もあるが、実際には都全体の財政と水道事業会計の健全性をどう保つのかという根本的な議論が不足している。都民の暮らしに直結する政策だからこそ、「無料化」という短期的インパクトだけでなく、持続可能性もセットで語る必要がある。
「住み続けられる東京」に必要な現実的政策とは
練馬選挙区は激戦区である。与野党ともに議席獲得に向けて熾烈な争いが展開されており、「とや英津子」という存在がこの選挙区における“政治の軸”となっていることは間違いない。
とや氏は「稼ぐ東京」ではなく、「住み続けられる東京」への転換を訴える。そのために、公共インフラの整備や賃上げ施策の強化、医療・介護の安定的な運営を柱に据える。演説では「東京都の財政力は過去最高の17.8兆円。これを都民の暮らしにこそ使うべき」と力説した。
だが、財政の潤沢さを根拠に“あれもこれも無料化”という政策を積み上げていく姿勢には、「持続可能なのか」という疑問もつきまとう。減税によって都民の可処分所得を高め、自助と公助をバランスよく組み合わせることの方が、より現実的な道筋なのではないだろうか。
「とやさんは実績も情熱もある。でも教育の公約、どうやって実現するんだろう」
「福祉は大事。でも無料の乱発より、減税してほしい」
「朝鮮学校への補助金って、どうしても納得できない」
「水道無料って簡単に言うけど、財源どこから?」
「共産党の批判は分かるけど、現実的にやれる範囲を示してほしい」
とや氏の政策には確かに説得力がある。だが今後は、「実現可能性」と「公平性」、そして「財源の健全性」が問われる局面に入ってくる。現場での声を吸い上げるだけではなく、それをどう制度に落とし込むのか。都民の目は厳しく、それでいて本質を見抜いている。