2025-06-18 コメント投稿する ▼
共産・米倉春奈氏が訴える「修学旅行無償化」 期待と財源不安の交錯する都議選
共産党・米倉春奈候補「修学旅行も無償に」 広がる期待と懸念
東京都議選・豊島区選挙区に立候補している日本共産党の米倉春奈氏が注目を集めている。応援に駆けつけた市田忠義副委員長が18日、大塚駅前で演説を行い、米倉氏の実績と政策を力強く訴えた。「修学旅行代も無償にしよう」との呼びかけに、現場からは賛同と同時に、実現可能性を問う声も上がっている。
米倉氏は現職都議として、痴漢ゼロや性暴力根絶の取り組みを先駆的に進めてきた。市田氏は「政治は生きることを応援するためにある」という彼女の理念を紹介し、具体的に社会課題に向き合ってきた姿勢を評価した。
“すべて無償”は都民の希望か、それとも財政リスクか
今回の選挙戦で米倉氏が打ち出すのは、「学校給食の無償化」や「シルバーパスの負担軽減」に加え、「修学旅行代も無償に」といった政策だ。教育や福祉の格差をなくすという主張は一貫しているが、それが都の財政でどこまで可能なのかという現実的な議論はほとんど語られていない。
都政の現場で、福祉や教育への支出が重要であることは間違いない。だが、給付政策を次々と重ねていくことが「支援」から「依存」へと変質してしまう危うさもある。
「修学旅行まで無償に?気持ちは分かるけど、さすがにやりすぎでは」
「給食も修学旅行も…誰かが負担するって分かってる?」
「弱者支援と全員タダは違う。本当に必要な人に届く制度がいい」
「政策より“いいこと言ってる”で終わってない?」
「子どもに優しい社会を訴えるなら、まず財源の説明が必要だよね」
“現場発信型”の強みを活かす米倉氏 だがその先に問われるのは制度設計
米倉氏は都議会でも、性暴力対策や子ども支援に積極的に取り組んできた。現場の声を政策に反映する姿勢には、多くの共感も寄せられている。市田氏も「米倉さんがやってきたことは本当に先駆的だった」と評し、痴漢ゼロに向けた条例づくりなどの実績を紹介した。
しかし、今回の選挙で訴えている政策は「無償化の連打」に偏っており、その根拠や持続可能性が不透明なままだ。「修学旅行無償化」や「シルバーパスの完全無料化」といった提案は、耳触りは良いが、都政が将来にわたって責任を持って継続できるかが問われる。
むしろ今、都民が求めているのは、負担を減らしつつも自立を促す政策であり、所得税や消費税の減税といった恒常的な可処分所得の拡大が重要になってきている。
“福祉の心を取り戻そう”が意味するもの
市田氏は演説で「福祉の心を取り戻そう」と呼びかけ、家賃補助や都営住宅の建設を米倉氏の重点政策として紹介した。物価高や住宅難に直面する中で、こうした主張は一部の有権者に刺さるだろう。
だが、給付型の政策だけでは経済の活性化や地域の自立にはつながらない。住まいも教育も「支援のあり方」の議論を飛ばして“無償にすれば解決”という論調では、かえって制度が破綻する可能性もある。
都政が目指すべきは、減税によって民間の活力を引き出し、そのうえで本当に必要な支援に絞り込む福祉の再設計だ。米倉氏の“現場力”を否定するものではないが、それを活かすためにも、持続可能で公平な制度設計が不可欠である。
「福祉の心って聞こえはいいけど、“無償化競争”になってない?」
「現場の声は大事。でもその声を制度に落とし込む力が必要」
「弱者支援とポピュリズムは違う。見極めが問われてる」
「感情に訴えるだけの演説じゃなくて、財政の話もしてほしい」
「米倉さんの実績は評価。でも全部タダって…現実見てる?」
理想論より現実性が問われる都議選
米倉春奈氏が掲げる政策は、弱者に寄り添う政治として一定の支持を集めている。痴漢撲滅や性暴力対策といった、誰もが否定しがたいテーマに地道に取り組んできた姿勢も事実だ。
だが、都政は限られた財源のなかで優先順位をどう付けるかが問われる場だ。誰にでも、何でも無償で――という主張は、共感を呼びやすい反面、現実的な持続可能性を欠いていれば、結果として都民全体に重い負担がのしかかる。
本当に都民の暮らしを守るとは何か。その答えは、減税による家計支援と、精査された支援の再構築にあるのではないだろうか。感情や美辞麗句だけでなく、制度の裏付けと財政責任を伴う政策こそ、都民にとって本当の“応援”となる。