2025-07-16 コメント投稿する ▼
三原じゅん子氏「中抜きは一番少ない庁」発信に批判殺到 委託費との結びつけで逆効果に
「ファクトです」投稿が“自爆”に
こども家庭庁への批判をかわす目的で三原じゅん子こども政策担当相が投稿した「ファクト」発信が、かえってさらなる炎上を招いている。
三原氏は7月15日から16日にかけてX(旧ツイッター)を連続更新。こども家庭庁に「解体すべき」「公金中抜きだ」といった批判が相次いでいることを受け、「事実に基づく情報を発信したい」として円グラフを用いた投稿を行った。
16日の投稿では「こども家庭庁は『中抜き』とのご批判が多いのですが、実際には一番少ない庁です」と明言。添付されたグラフには「各省庁の予算総額に占める委託費の割合(令和7年度予算ベース)」とあり、内閣官房が31.28%、経済産業省が5.02%、こども家庭庁は最下位の0.06%であることが示されていた。
しかしこの投稿に対して、
「中抜きランキングって、堂々と出すもんじゃない」
「委託費が少ないからクリーンって、あまりにも雑」
「逆に“委託=中抜き”って言ってるようにしか聞こえない」
と、ネット上で強い反発が巻き起こった。
“自ら中抜きという言葉を肯定してしまっている”ように見える表現や構成が、火に油を注いだ格好だ。
「委託費=中抜き」の前提に疑問の声
三原氏の投稿が批判されている最大の理由は、「委託費が少ない=中抜きが少ない」という図式を前提に話をしているように見える点だ。
政府予算における「委託費」は、民間に業務を任せる手段として幅広く存在しており、それを一律で“中抜き”と結びつけるのは乱暴だとの指摘が相次いだ。
実際、三原氏が投稿したグラフの出典は不明であり、どのような基準で各省庁の委託費割合を算出したのかも曖昧。情報の精度そのものに疑念を抱かせる内容だった。
「印象操作で“うちはキレイ”って言いたいだけに見える」
「数字出せば正しいって感覚が昭和すぎる」
批判殺到に説明も後手後手
投稿後の批判の高まりを受け、三原氏の事務所は17日、記者の取材に対して「ネット上で『外部委託ばかりで中抜きが多い』という誤解があるため、正確な情報を伝える目的で、過去にこども家庭庁noteで掲載した内容を再投稿した」と説明した。
また、「中抜きを認めたという趣旨ではまったくない」とも釈明したが、当初の投稿にはそのような説明は一切添えられておらず、「後出しで取り繕っているだけでは」との見方も広がっている。
「言い訳するぐらいなら最初から丁寧に書けばよかった」
「“拡散されたから慌てて弁明”ってのが透けて見える」
“共感ゼロ”の情報発信が露呈した資質
三原氏の今回の一連の投稿は、“正確な情報”というよりは“自己弁護”の色が強く、政策担当相としての資質に疑問を抱かせる結果となった。
子ども家庭庁は、家庭や保育、子育てといった繊細で現場性の高いテーマを扱う重要な機関だ。そのトップが、「中抜き」というキーワードの使い方を誤り、誤解を招き、しかもそれを押し通そうとする姿勢に、危機感を覚える声が多い。
“わかりやすく発信する”という大義名分が、雑なロジックや感情的な対抗発言にすり替わってしまっては意味がない。求められるのは、SNSで騒ぎを鎮める技術ではなく、実態を正確に把握した上で政策を導く冷静な判断力と説明責任である。