2025-09-12 コメント投稿する ▼
日本版DBS指針の中間まとめ案を了承 子どもの安全確保に向けた制度設計の現状
日本版DBSは子どもの安全を守るために、制度対象となる業種や情報照会の仕組みを明確化することを目的としたものである。 検討会が示した中間まとめ案では、性犯罪や児童虐待に関する前科を有する人物については、学校や保育所などで子どもに直接接する職務に就けないよう制限をかけることが想定されている。 犯罪歴を一生公開する制度ではなく、子どもの安全を守るための限定的な利用が前提となる。
日本版DBS指針の中間まとめ案を了承
こども家庭庁の有識者検討会は9月12日、「日本版DBS」運用指針の中間取りまとめ案を大筋で了承した。子どもの安全を守るために、制度対象となる業種や情報照会の仕組みを明確化することを目的としたものである。イギリスのDBS制度を参考にしたこの取り組みは、日本においても導入が急務とされている。
「ようやく動き出したか。子どもの安全は待ったなしだ」
「でも個人情報の扱いが心配。更生の道も必要では」
「虐待歴も対象にしてほしい。現場では切実な問題」
「塾やスポーツ指導も外せない。線引きが難しそう」
「性犯罪歴だけで限定すると抜け穴になるのでは」
制度の背景と海外事例
学校や保育園、学童クラブやスポーツ団体において、児童虐待や性被害の防止が社会的課題となっている。イギリスのDBS制度では、子どもや障害者と日常的に接する職員やボランティアに対して犯罪歴証明書の提出が義務化されており、その仕組みは一定の成果を挙げている。
日本でも近年、保育施設や学校での不祥事が社会問題化し、子どもに接する大人の適格性を確認する仕組みの必要性が高まった。今回の中間まとめ案は、こうした社会的要請に応えるものである。
中間まとめ案のポイント
検討会が示した中間まとめ案では、性犯罪や児童虐待に関する前科を有する人物については、学校や保育所などで子どもに直接接する職務に就けないよう制限をかけることが想定されている。
また、情報の照会に関しては、内閣府や文部科学省を中心に、自治体や関係機関が活用できる仕組みを整備する方針が示された。犯罪歴を一生公開する制度ではなく、子どもの安全を守るための限定的な利用が前提となる。
残された課題と論点
一方で、制度設計には多くの論点が残されている。個人情報保護や更生の権利との調整が不可欠であり、性犯罪歴だけに限定するか、児童虐待歴まで含めるかは議論の分かれ目である。さらに、義務化の範囲を学校・保育所・学童クラブ・スポーツ指導・学習塾などにどこまで広げるかについても明確化が求められる。
また、制度の運用にかかるコストや、照会手続きの煩雑さをどう軽減するかという実務的課題もある。特に中小規模の教育機関や地域のクラブ活動など、人的資源が限られる現場での対応が焦点となる。
子どもの安全と制度導入の展望
「日本版DBS」は、子どもを守るための新たな仕組みとして期待されている。しかし制度を導入するには、法整備や対象業種の範囲決定、運用に伴う実務負担の軽減といった現実的課題を乗り越える必要がある。
さらに、日本社会全体として「子どもを守る」という価値観を制度と一体化させて定着させることが求められる。イギリスではDBS導入後も運用改善が続けられており、日本でも制度設計は一度決めれば終わりではなく、実態に応じた修正が不可欠である。
子どもの安全確保は国民的な課題であり、政治や行政の対応だけでなく、社会全体で支える姿勢が必要とされている。
日本版DBS制度導入で子どもの安全を守る
日本版DBSは、単なる制度設計にとどまらず、子どもの安全を社会全体で確保するための基盤となる。今後の法整備と運用ルールの確立が急がれる中、国民的な議論と理解を伴った制度構築が不可欠である。