2025-06-10 コメント投稿する ▼
品川区都議選は9人激突の多数乱戦 白石たみお氏「やさしい東京」で支持拡大に挑む
品川区都議選、9人激突の多数乱戦 白石たみお氏が「やさしい東京」を掲げ再選めざす
13日告示の東京都議選を目前に控えた品川区では、定数4を巡り主要政党から無所属の有力候補まで合わせて9人が立候補を予定する「多数乱戦」となっている。10日夕、日本共産党の現職・白石たみお氏が事務所開きを行い、支援者約180人が集結。陣営は「誰が落ちてもおかしくない」と緊張感をにじませながらも、「必ず勝ち抜く」と士気を高めた。
白石氏は過去に区議経験もあり、品川区内での地盤を持つ現職都議。演説では、定時制高校を卒業した自身の経験を語りながら、「誰もが学び、生き、幸せになる権利がある。それを守るのが政治の仕事」と訴えた。分断や格差を是正し、「やさしい東京」を目指すという姿勢に、参加者の多くがうなずいた。
自民は一本化で巻き返し狙う 他陣営も地盤強固
前回の都議選で2人を擁立し、いずれも落選した自民党は、今回は新顔候補に一本化。組織力を結集し、巻き返しを狙う。特に保守票の分散を防ぎ、安定した得票を得ることができれば、有利に戦える情勢だ。
公明党は前回トップ当選を果たした現職が引き続き出馬。組織的支援が盤石であり、確実な議席確保が見込まれている。立憲民主党と国民民主党はいずれも現職区議からの出馬で、地域に根付いた基盤が強みだ。
また、無所属の現職候補は昨年の都議補選で当選しており、現区長の後継者として名が知られている。SNSでは区長と並んであいさつする動画を投稿し、「品川区長応援」の文字を前面に押し出す戦略で、知名度を生かした選挙戦を展開中だ。
「自民一本化は脅威。前回とは違う雰囲気」
「現職区議が多くて混戦すぎる」
「白石さんの『やさしい東京』は響く。分断政治にNOを」
「無所属だけど区長がついてるならほぼ公認と変わらない」
「これは投票先を決めるのが難しい選挙だ」
都民ファ・新党も参戦 “票割れ”必至の選挙戦
この混戦に拍車をかけるのが、新顔候補の続出だ。都民ファーストの会からは若手候補が立候補を予定。「再生の道」と名乗る新興勢力からも出馬が予定されており、政策よりも勢いで票を奪い合う構図になりつつある。
こうした中、「票割れ」が生じやすく、どの候補も安泰ではない。浮動票をいかに掘り起こすかが勝敗を左右する鍵だ。
前田和久・共産党品川地区委員長は「この中に割って入るのは簡単ではない」と警戒感を示しつつも、「白石は政策と人柄で支持を積み上げてきた」と強調した。
白石氏の支援には、宮本徹・前衆院議員も駆けつけ、「ブレずに都政と向き合ってきた白石さんこそ、再び議会で必要な人材だ」と訴えた。
“やさしさ”と“現実”の対決構図に
白石氏が訴える「やさしい東京」は、ジェンダーや世代、雇用形態による差別や格差を乗り越え、誰もが安心して暮らせる東京を目指すもので、福祉・教育・労働政策を重点に据える。
一方、他候補は経済再生や災害対策、都市インフラ整備を前面に掲げ、実務型の都政運営を訴えている。理念と現実、理想と現実主義の対決構図が、選挙戦の軸となりそうだ。
いずれにせよ、票の行方は最後まで読めない展開が予想される。候補者9人の激突は、有権者にとっても厳しい選択を迫る選挙となる。