2025-06-24 コメント投稿する ▼
防衛省が今秋の観艦式中止を検討 中国軍の活動活発化で自衛隊に過剰負担
防衛省、今秋の観艦式を中止検討 中国軍の活動活発化で自衛隊運用に逼迫
防衛省が今秋に相模湾で予定していた海上自衛隊の観艦式について、中止の方向で検討に入っていることが24日、複数の政府関係者への取材で明らかになった。背景には、東シナ海や南西諸島周辺で活動を活発化させている中国軍などへの対応で、自衛隊の警戒監視任務が過密になっていることがある。
観艦式は自衛隊の威容を示すとともに、国内外への抑止力の発信や国民との交流の機会として数年に一度実施されてきた。前回は2022年に開催され、アメリカ、オーストラリア、韓国など12カ国の艦艇が参加し、国際色豊かな規模で実施された。
だが、現在の防衛現場では、中国海軍による日本周辺海域での航行や演習、ロシアとの連携航行などに対応するため、警戒監視や追尾の任務が常態化。海上自衛隊を中心に部隊運用の余力が乏しくなっているという。
防衛省関係者は、「観艦式は重要な外交・広報機会ではあるが、現場の運用を最優先せざるを得ない」と述べ、中止が現実味を帯びていることを示唆した。
仮に中止となれば、戦後の定例観艦式では極めて異例の措置となる。特に今年は、自衛隊が創設から70年の節目を迎える年であり、観艦式を通じて防衛力の維持強化を内外に示す絶好のタイミングとされていただけに、防衛政策の優先順位を改めて浮き彫りにする事態となりそうだ。