2025-06-20 コメント投稿する ▼
中国が海自艦の台湾海峡通過に猛反発 「航行の自由」に反論する矛盾と地域安保への影響
「主権を脅かす」と中国が海自に抗議
中国外務省は6月20日、海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が12日に台湾海峡を通過したことについて強い反発を示した。中国外務省の郭嘉昆副報道局長は記者会見で、「いかなる国であっても、航行の自由を名目に中国の主権と安全を脅かすことに断固反対する」と語り、海自の行動を批判した。
この日、英海軍の哨戒艦も台湾海峡を通過しており、中国は日本と英国を名指しで批判。特に英海軍の行動については、中国軍東部戦区の報道官が「故意に騒ぎを引き起こし、台湾海峡の平和と安定を損なった」と非難声明を出した。
中国側は「法律に基づいた航行は尊重する」としつつも、実際には西側諸国による台湾周辺の通過を「挑発行為」とみなす立場を崩していない。
「“法律を尊重”と言いながら、反発するのは矛盾してる」
「中国の“主権”の定義がどんどん広がってる気がする」
台湾海峡の航行をめぐる日英の連携
海自の「たかなみ」や英海軍の哨戒艦の台湾海峡通過は、国際法上は「無害通航」に該当し、自由な航行の一環とされる。日本と英国は共に「航行の自由作戦」の文脈で、台湾周辺でのプレゼンスを強めている。
こうした動きは、地域の平和と安定を脅かす中国の海洋進出に対する牽制でもある。とりわけ台湾有事のリスクが高まる中、日英など西側諸国が台湾周辺での軍事的・政治的プレゼンスを示すことは、「中国に対するメッセージ」として意味を持つ。
「台湾海峡は国際水域。日本も英国も堂々と通ればいい」
「中国にだけ配慮するのは、もはや戦略的に不利」
「平和と安定を乱すのは誰か」問われる中国の態度
中国側は「台湾海峡の平和と安定」をたびたび口にするが、実際に軍事的緊張を高めているのは中国自身との指摘も多い。人民解放軍による台湾周辺での戦闘機・艦艇の示威行動や、台湾への軍事的圧力は日常化しており、そうした現状に対抗する形での航行が増えているのが実情だ。
西側諸国の行動を「挑発」と位置づけながら、自らは警戒監視と称して武装艦艇を出動させていることに対し、「本当に平和を乱しているのはどちらなのか」という根本的な疑問が浮かぶ。
日本としても、自由で開かれたインド太平洋の実現という理念に基づき、台湾有事に備える意識が高まっており、今後も同様の航行が続く可能性は高い。中国が反発を強めるほど、かえって台湾海峡の国際化を促進する結果になりつつある。
「中国の言ってる“平和”って、支配の言い換えでしかない」
「台湾海峡を中国の内海みたいに扱うのは受け入れられない」
抑止か挑発か、問われる日本の立ち位置
今回の海自艦の台湾海峡通過は、日本の安全保障政策としても注目すべき動きだ。中国の過剰な反応は、むしろ日本の戦略的な立ち位置を改めて明確にさせたとも言える。
しかし、日本国内でも「挑発と受け取られる行為が緊張を招くのでは」とする慎重論があるのも事実だ。今後、日中関係の悪化がさらに進む可能性も否定できず、日本としては緊張のエスカレーションを避けつつ、台湾防衛を見据えた安保体制の強化が求められる。
今回の中国の反応は、台湾問題が「中国の内政」ではもはや収まらない国際的関心事項であることを改めて証明した。日本がその最前線に立たされているという現実に、国民も真剣に向き合う必要がある。