2025-05-30 コメント投稿する ▼
アジアの安全保障が揺れる中、シャングリラ対話開幕 日本は米豪仏と連携強化へ
シャングリラ対話が開幕
アジアの安全保障、緊張緩和への糸口を探る場にアジア太平洋の安全保障をテーマにした国際会議「シャングリラ対話」が5月30日、シンガポールで始まった。6月1日までの3日間、各国の防衛トップや安全保障の専門家らが参加し、台湾情勢や南シナ海の軍事的緊張、北朝鮮の核・ミサイル開発、そして米中対立の行方など、地域の安定に関わる幅広いテーマについて議論が交わされる。
会議にはおよそ40カ国から代表が参加しており、日本からは中谷元防衛大臣が出席。自由で開かれたインド太平洋の重要性を訴える講演を31日に予定しており、地域における日本の役割を明確にする構えだ。
防衛相同士の個別会談で連携強化
中谷氏は滞在中、アメリカ、フランス、オーストラリアの防衛相と個別に会談を行う見通しだ。とくにアメリカとの協議では、自衛隊と米軍の指揮・統制体制をさらに緊密にする取り組みが焦点となる。また、ウクライナ戦争後の国際秩序再構築に向けて、フランスが主導する欧州主導の平和維持構想についても意見が交わされる可能性がある。
オーストラリアとの協議では、AUKUS(オーカス)協定に基づいた防衛技術協力や、インド太平洋地域での多国間安全保障体制の強化が話題になる見通し。日本政府としては、中国の影響力拡大を抑えるためにも、こうした連携を地域に根付かせることが喫緊の課題だ。
中国と韓国が見送った背景とは
一方で、中国は昨年に続き、国防相クラスの代表団を派遣しなかった。今年は人民解放軍の大学関係者が出席しているが、南シナ海などを巡る欧米諸国の批判を避けた形だとの指摘もある。韓国も、大統領選の直前という政治日程の都合から、大臣級の派遣を見送っている。
米国からはトランプ政権下で任命されたヘグセス国防長官が出席し、31日にはインド太平洋戦略について講演を行う。アメリカは同盟国との結束を改めて強調し、中国との間で揺れる東南アジア諸国への影響力を維持したい狙いがある。
ネットユーザーの声
「中谷さん、外交としての役目果たしてる。連携大事」
「中国の出席見送りはちょっとわかりやすすぎるな」
「米中のやり取りに日本がどう立ち回るか見もの」
「アジアでのアメリカの存在感が本当に落ちてる」
「AUKUSの動きと連携して日本ももっと発信してほしい」
アジア安全保障の分岐点
・日本は「自由で開かれたインド太平洋」の理念を再強調し、地域安定化を主導したい意向
・米国との軍事協力深化、AUKUS・欧州との連携強化も視野に
・中国は今年も閣僚級を欠席、南シナ海問題での対話回避か
・韓国は国内事情で参加見送り、各国の政治事情も浮き彫りに
今回のシャングリラ対話は、軍事的緊張が高まるアジアにおいて、対話を通じて相互理解と信頼を構築する貴重な機会となる。日本にとっても、米国や豪州などの同盟国と意思疎通を深め、地域のリーダーシップを発揮する好機といえるだろう。