2025-05-15 コメント投稿する ▼
自衛隊T-4練習機墜落、フライトレコーダー未搭載が60機 安全管理に課題
自衛隊機墜落で浮き彫りになった安全管理の課題
愛知県犬山市で14日、自衛隊のT-4練習機が墜落する事故が発生し、搭乗していた2人の隊員が行方不明となっている。墜落機は宮崎県の新田原基地所属で、小牧基地を離陸後わずか2分でレーダーから消失した。地元消防や警察、航空自衛隊が懸命に捜索を続けているが、現場では機体の一部や搭乗員のヘルメットが発見されただけで、捜索は難航している。
防衛大臣「約60機がフライトレコーダー未搭載」
この事故を受け、中谷防衛大臣は15日の参議院外交防衛委員会で、航空自衛隊が保有するT-4練習機197機のうち、およそ60機がフライトレコーダーを搭載していないことを明らかにした。今回墜落した機体もその未搭載機に含まれており、事故原因の解明が困難になる可能性が指摘されている。
フライトレコーダーは、航空機の飛行データやコックピット内の音声を記録する装置で、事故調査には不可欠なものだ。中谷防衛大臣は「今回の事故を踏まえ、速やかにフライトレコーダーの搭載を進めていく」とし、再発防止に向けた措置を強調した。
安全管理の見直し迫られる自衛隊
自衛隊では近年、航空機事故が相次いでいる。2023年には陸上自衛隊のヘリコプターが沖縄県で墜落し、10人が死亡する事故が発生。また2024年には海上自衛隊のヘリコプター同士が訓練中に衝突し、8人が死亡している。
こうした事故が続く中、安全管理の見直しは避けられない。特にフライトレコーダーの未搭載機が60機も存在する現状は、速やかに改善すべき課題だ。
今後の対応と再発防止策
防衛省は今回の事故を受け、T-4練習機の飛行を当面見合わせ、事故調査委員会を設置して原因の特定を急ぐ方針だ。また、フライトレコーダーの未搭載機に対しては、速やかに装備を進める計画を示している。
中谷大臣も「自衛隊の安全管理体制を再確認し、必要な対策を講じる」と述べており、再発防止に向けた取り組みが今後の焦点となる。