2025-05-05 コメント投稿する ▼
日印防衛協力を強化、インド太平洋地域の安定に向け協議体設置へ
日インド、防衛協力を強化 インド太平洋地域での安定を目指し協力深化
日本とインドは、防衛協力をさらに強化する方針を確認した。5日、ニューデリーで中谷元・防衛相とシン国防相が会談し、「インド太平洋地域における日印の防衛協力(JIDIP)」を構築することで合意。自衛隊とインド軍の共同訓練を拡充し、部隊幹部間の協議体設置に向けた調整も進めることになった。
日印防衛協力「JIDIP」で地域安定に貢献
中谷防衛相は会談で、「国際情勢は急速に複雑化し、不確実性が高まっている」と指摘。日本とインドが協力し、法の支配に基づく平和で繁栄したインド太平洋を目指すべきだと強調した。シン国防相も「防衛技術の分野でも引き続き協力してほしい」と期待を示した。
今回の合意は、米国の「アメリカ第一主義」や中国の覇権主義的行動を踏まえ、国際ルールを重視する日印両国が地域の安定に貢献する姿勢を強調した形だ。特に、共同訓練の拡充や幹部間の協議体設置は、両国の軍事的信頼を深める重要な一歩となる。
インド・パキスタン間の緊張、日本への影響は?
一方で、インドはパキスタンとの間で緊張が高まっている。特にカシミール地方での衝突や相互の報復行動は地域の不安定要因だ。インドはパキスタン領内のテロリスト拠点を攻撃し、パキスタンはこれに対抗してミサイル実験を実施。国連も両国に対し、緊張緩和を求めている。
しかし、日本が今回のインドとの防衛協力強化を通じて直接この対立に巻き込まれる可能性は低い。日本はあくまでインド太平洋地域全体の安定を目指し、特定の国との対立を支援するわけではないからだ。日本政府も国際社会と連携し、地域の平和と安定に貢献する姿勢を示している。
ただし、インドとパキスタンの緊張がさらに悪化した場合、インドに進出している日本企業や現地に住む邦人に影響が及ぶ可能性は否定できない。日本政府は外務省を通じて現地の安全情報を適切に発信し、企業や邦人の安全確保を図ることが求められる。