2025-05-03 コメント: 1件 ▼
次期戦闘機「GCAP」にサウジ参画へ 日英伊が“パートナー国”として容認の方向で調整
GCAPとは何か:日英伊の戦略的共同開発
GCAPは、英国の「テンペスト」計画と日本のF-X計画を統合し、イタリアを加えた3カ国で進められている第6世代戦闘機の共同開発プロジェクトである。2035年の運用開始を目指し、BAEシステムズ(英)、レオナルド(伊)、三菱重工業(日)などが中心となって開発が進められている。このプロジェクトは、各国の防衛産業の活性化と国際的な安全保障協力の強化を目的としており、数兆円規模の開発費が見込まれている。
サウジ参画の背景と各国の思惑
サウジアラビアは、これまでGCAPへの正式な参画を求めてきたが、日本は交渉相手の増加による開発遅延や、中国・ロシアとの武器取引に伴う情報保全の懸念から慎重な姿勢を示していた。一方、英国とイタリアはサウジの資金力や将来的な市場性に期待を寄せており、サウジの参画に前向きな姿勢を示していた。4月中旬の日英伊とサウジの協議で、サウジ側が正式メンバーとしての早期参画にこだわらない姿勢を見せたため、3カ国はサウジを「パートナー国」として参画させる方向で調整を進めることとなった。
日本の懸念と今後の展望
日本政府内では、サウジの技術力向上や情報保全措置などの条件をつけ、将来的な正式参画の余地を残す方向で調整が進められているが、「最終的には正式参画は難しいだろう」との見方もある。また、サウジが中国と軍事的関係を強化していることや、人権問題に対する国際的な批判も懸念材料となっている。今後、サウジの参画がGCAPの開発スケジュールや情報保全にどのような影響を与えるか、引き続き注視が必要である。
* GCAPは日英伊3カ国による第6世代戦闘機の共同開発プロジェクトで、2035年の運用開始を目指している。
* サウジアラビアは正式参画を求めていたが、4月中旬の協議で「パートナー国」としての参画を容認する方向で調整が進められている。
* 日本は情報保全や開発遅延の懸念から慎重な姿勢を示しており、サウジの参画は資金面などの協力関係にとどめたい考えである。
* サウジの正式参画に向けては、技術力向上や情報保全措置などの条件をつけ、将来的な余地を残す方向で調整が進められているが、日本政府内には正式参画は難しいとの見方もある。
* 今後、サウジの参画がGCAPの開発スケジュールや情報保全に与える影響について、引き続き注視が必要である。