2025-04-18 コメント投稿する ▼
「防衛費は交渉の対象ではない」 中谷防衛相が日米関税協議に一線引く
中谷防衛相「防衛と関税は別問題」 トランプ氏発言に冷静な対応
日米間で進められている関税協議の中で、トランプ米大統領が在日米軍の駐留経費にも言及したことが波紋を広げている。これに対し、中谷防衛相は18日、「防衛と関税はまったくの別問題」として、両者を混同すべきではないとの考えを明確にした。
トランプ氏、関税交渉で“防衛費”を持ち出す
発端は、トランプ大統領が米SNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿した一言。「米国の兵士を駐留させるには相応の負担が必要だ」として、貿易交渉と並行して防衛費についても言及した。さらに、訪米中の赤沢亮正経済再生相との会談でも、在日米軍の駐留費用の負担増を求めたとみられている。
中谷防衛相「我々の努力は評価されている」
これに対して中谷防衛相は、冷静なトーンで対応。先月行われた米国のヘグセス国防長官との会談でも「防衛費増額のような具体的な要求はなかった」と説明した。そのうえで、「日本として必要な役割を果たしており、米側からもその努力はきちんと評価されている」と強調した。
駐留経費は5年ごとに協定 現行は2027年まで有効
在日米軍の駐留経費は、日米間の「特別協定(SMA)」に基づき5年ごとに見直されている。現在の協定は2022年に結ばれ、2027年3月まで有効。日本政府は年間およそ2110億円を負担している。中谷氏は「現行協定が有効である限り、新たな負担について議論するのは時期尚早」と述べ、今の段階で見直す考えがないことをにじませた。
「取引」としての同盟関係に懸念も
トランプ氏の姿勢には、同盟関係を「取引」に置き換えるような側面があり、日本国内でも懸念が広がっている。経済交渉と安全保障をリンクさせる姿勢に対し、日本政府は明確に「切り離す」方針を貫いており、赤沢再生相も「トランプ氏から強い要求があったわけではない」と説明している。
今後の交渉の焦点
日米の関税協議は今後も続く予定だが、防衛費の扱いが再び浮上する可能性も否定できない。中谷防衛相は「今は関税の議論に集中すべき」と強調しており、日本政府としては引き続き防衛と経済を明確に区別して交渉を進めていく構えだ。
- トランプ米大統領が日米関税協議で防衛費増額に言及
- 中谷防衛相は「防衛と関税は別問題」として冷静に対応
- 現行の在日米軍駐留経費協定は2027年まで有効
- 日本政府は年2110億円を負担し「適切な分担」と説明
- 経済と安全保障を混同しない姿勢を今後も貫く方針