2025-10-14 コメント投稿する ▼
新造潜水艦そうげい進水式開催、中国EEZ侵犯への有効活用が課題に
建造費約736億円が投じられた最新鋭艦ですが、中国による日本の排他的経済水域への侵犯が相次ぐ中、高額な潜水艦を実際に有効活用できているのか疑問の声も上がっています。 防衛省は「情報収集・警戒監視を有効に実施するため」として潜水艦の建造を続けていますが、中国の活動を実際に抑止できているかは疑問です。
海上自衛隊の新造潜水艦「そうげい」の命名・進水式が2025年10月14日、川崎重工業神戸工場で開催されました。建造費約736億円が投じられた最新鋭艦ですが、中国による日本の排他的経済水域への侵犯が相次ぐ中、高額な潜水艦を実際に有効活用できているのか疑問の声も上がっています。
2027年3月就役予定の最新鋭艦
そうげいは2022年に就役した「たいげい」型潜水艦の6番艦となります。全長84メートル、全幅9.1メートルで、基準排水量は約3000トンです。乗員は約70人で、2027年3月の就役を予定しています。
艦名の「そうげい」は漢字で「蒼鯨」と書き、鮮やかな蒼い鯨を意味する造語です。海上自衛隊で用いるのは初めてで、旧日本海軍でも使用されたことがないため、国産の戦闘艦艇では初の艦名となりました。
式典には防衛省や川崎重工関係者ら約1400人が参加しました。本田太郎防衛副大臣が艦名を発表してくす玉が割られ、そうげいは拍手を浴びながら造船施設から進水しました。命名式の執行者は呉地方総監の松本完海将が務めています。
潜航能力を高めた最新技術
たいげい型は新型ディーゼルエンジンとリチウムイオン電池を搭載し、従来の「そうりゅう」型より潜航能力を高めています。1度の充電で長時間の航行が可能で、水中での活動時間が大幅に延びました。
探知能力や静粛性も一層向上しており、潜水艦戦闘管理システムや高性能ソーナー装置を搭載しています。艦首には6門の魚雷発射管を装備し、国産の18式魚雷や対艦ミサイル「ハープーン」を発射できます。
外観形状はそうりゅう型とほぼ変わりませんが、TCM(潜水艦魚雷防御システム)を搭載するなど、被探知防止性能が向上しました。女性乗員専用の居住区画も設けられ、多様な人材の活用にも対応しています。
「中国の侵犯に対してちゃんと使ってるの」
「高い潜水艦作っても実戦で機能しなきゃ意味ない」
「EEZ守るためにもっと積極的に動くべき」
「潜水艦あっても中国船が堂々と侵入してくる現状」
「736億円の価値を見せてほしい」
中国のEEZ侵犯が常態化
中国海警局の船舶や海洋調査船による日本の排他的経済水域への侵入が常態化しています。尖閣諸島周辺では中国公船が連日のように領海侵入を繰り返し、日本側の退去要請を無視する事態が続いています。
さらに中国の潜水艦や軍艦による日本周辺海域での活動も活発化しており、海上自衛隊による警戒監視が欠かせない状況です。しかし実際の対応は海上保安庁の巡視船や海自の護衛艦による水上での警告が中心で、潜水艦による水中からの監視や抑止効果が十分に発揮されているか不透明です。
たいげい型潜水艦は情報収集・警戒監視能力に優れており、相手に探知されずに長時間活動できる特性があります。しかし中国によるEEZ侵犯が続く現状を見ると、せっかくの高性能潜水艦を有効活用できていないのではないかとの指摘があります。
建造費は年々増大
たいげい型潜水艦の建造費は年々増加しており、1番艦「たいげい」は約800億円、4番艦「らいげい」は約702億円でした。そして2025年度予算の概算要求では10番艦に1199億円が計上され、1隻あたりの建造費が1000億円を超える事態となっています。
政府は潜水艦22隻体制を目指しており、たいげい型の建造を続けています。川崎重工神戸工場では戦後31隻目の潜水艦建造となり、三菱重工神戸造船所と交互に建造を続けてきました。
しかし巨額の予算を投じて最新鋭の潜水艦を次々と建造しても、中国によるEEZ侵犯を抑止できていない現状では、国民の理解を得ることは困難です。防衛省には装備の充実だけでなく、実際の運用面での成果を示すことが求められています。
実効的な抑止力の発揮を
防衛省は「情報収集・警戒監視を有効に実施するため」として潜水艦の建造を続けていますが、中国の活動を実際に抑止できているかは疑問です。高性能な潜水艦を保有していても、相手国に「日本は本気で対応する」というメッセージが伝わらなければ、抑止力として機能しません。
潜水艦の活動内容は機密性が高く公表されませんが、中国によるEEZ侵犯が後を絶たない現状は、日本の海洋権益が脅かされ続けていることを意味します。そうげいをはじめとするたいげい型潜水艦を、中国の違法な海洋活動に対する実効的な抑止力として積極的に活用すべきです。
防衛力の整備は必要ですが、それ以上に重要なのは整備した装備を効果的に運用することです。そうげいの就役は2027年3月を予定していますが、中国のEEZ侵犯に対して毅然とした姿勢を示せるかどうかが問われています。