2025-06-30 コメント投稿する ▼
PFASついに水質基準へ 健康被害の懸念受け、環境省が省令改正し2026年から施行
PFAS規制が「努力義務」から「義務」へ
環境省は6月30日、健康リスクが指摘されている有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」のうち、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)を水道法上の「水質基準」に加えるための省令改正を行った。施行は2026年4月1日で、これまで暫定目標値にとどまっていた50ナノグラム/リットル(PFOSとPFOAの合計)という数値が、正式な規制基準となる。
この基準を超えた場合、水道事業者や自治体には原因の究明と水質の改善が義務付けられる。3カ月に1回の定期的な水質検査が基本となり、小規模な簡易水道や特定用途の専用水道については検査回数の軽減措置が設けられるが、原則として全国的に管理が強化される形だ。
「ようやく本格的な規制が始まるのか」
「国が動かなきゃ変わらないと思ってた」
「基準を設けても監視が甘いと意味ない」
「生活水に不安があるのが異常なこと」
「企業にも厳しく責任取らせてほしい」
これまでの「努力義務」は法的拘束力が弱く、地域住民の健康不安に応えるには不十分とされていた。省令改正は、全国で相次ぐPFASの検出と、それに伴う住民の強い反発、訴訟、海外の規制動向などを背景に、政府がようやく重い腰を上げた格好だ。
見えにくい汚染、遅すぎた対応
PFASは、耐熱性や撥水性に優れた特性から、家庭用品や工業製品、さらには泡消火剤や半導体製造など幅広い分野で使用されてきた。一方で、極めて分解されにくく、環境中に長期間残留することから「フォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質)」とも呼ばれている。
国内でも、東京都多摩地区、沖縄県、神奈川県、岐阜県など、複数の自治体で飲料水や地下水から高濃度のPFASが検出され、住民の健康被害や発がんリスクへの懸念が高まっていた。しかし、これまでは国としての明確な強制基準が存在せず、各自治体が独自に対応する状況が続いていた。
「うちの地域は前から検出されてたけど国は知らん顔だった」
「これまで飲んできた水は大丈夫だったのか…」
「すでに影響受けた人たちへの補償も議論して」
「アメリカより規制が甘いのが気になる」
「浄水器が売れるのはわかるけど、それも自己責任なの?」
国際的にはすでにPFASへの規制が進んでいる。たとえば欧州連合(EU)では複数のPFASを原則使用禁止とする方針が進行中で、アメリカでも環境保護庁(EPA)がより厳しい基準値を設けている。今回の日本の水質基準は、国際的にはやや緩めであるものの、「ゼロからの前進」として一定の評価もある。
企業と行政の責任はこれからが本番
今回の省令改正で求められるのは、単なる数値設定にとどまらず、原因企業の特定、浄化費用の負担、そして住民への説明責任である。汚染源となっている事業者の特定が進まないケースでは、行政が積極的に調査と公表に踏み出すことが不可欠だ。
一方で、PFASに関連する過去の使用や排出に関して、「誰が責任を持つのか」という問題も浮上する。数十年前から使われていた化学物質であるがゆえに、製造・使用・排出の履歴が不明なケースも少なくない。政府には、責任の所在を曖昧にせず、被害者の側に立った対応が求められる。
また、農業用水への影響や、河川・湖沼の生態系に対する長期的影響も見逃せない。水道水だけでなく、地域全体の環境モニタリング体制を整備する必要がある。
「製造企業にもっと説明責任を負わせるべき」
「水道だけじゃなく川や井戸も調べて」
「住民不在で規制だけ進めるのは信頼されない」
「水を安全に使う権利がこんなに脅かされてるのか」
「国も自治体も過去の調査怠ってきたよね」
さらに、PFAS規制の本格化は、企業側にも大きなインパクトを与える。製造プロセスの見直しや、代替品の開発、汚染防止の設備投資が急務となる。だが中小企業にとっては大きな負担でもあり、環境保護と経済負担のバランスをどう取るかが今後の焦点になるだろう。
安全な水をどう守るか 国民的議論を
今回の省令改正は、単なる技術的・行政的措置ではなく、「安全な水をどう確保するか」という国民的テーマにつながる。日本は長年、「水が安全な国」としての信頼を築いてきたが、PFASの問題はその前提を揺るがすものだ。
全国で検出されながら、これまで「暫定目標値」で済まされてきた背景には、規制による影響や費用負担を避けたいという政府・企業側の都合も見え隠れする。だが、住民の健康と安心が後回しにされる社会に未来はない。これからは、行政だけでなく、国民全体で「水の安全」について考える時代に入った。