2025-06-05 コメント: 1件 ▼
環境省が水俣病被害者の声を遮断 「マイク切り台本」隠蔽で不信拡大
環境省の隠蔽体質が再び露呈 被害者の声を軽視か
環境省が、昨年の水俣病被害者団体との懇談で「3分で発言を打ち切る」というシナリオを作成していたにもかかわらず、それを現職の浅尾慶一郎環境相に報告していなかったことが判明した。浅尾氏は先日、熊本県水俣市で開かれた懇談の場で「そのようなシナリオは知らなかった」と発言していたが、実際には省内で共有されていた事実を秘匿されていたことになる。
この対応に、被害者側からは当然ながら強い反発が起きている。水俣病被害者の会・中山裕二事務局長は「組織的に行ったことを、なぜトップにすら報告しないのか」と憤りを隠さなかった。
「マイク切り」の実態と環境省の責任逃れ
問題の発端は、2023年5月に水俣市で開かれた慰霊式後の懇談会。被害者団体の代表が発言中、3分を過ぎたところでマイクが突然切られるという前代未聞の対応が行われた。当時の伊藤信太郎環境相が出席していたが、その行動の背景には、環境省が作成した進行台本があり、「発言3分でマイクを止める」と明記されていたことが後に明らかになった。
それにもかかわらず、今回の浅尾環境相にはその事実すら共有されておらず、省は「不適切な運営があったとは説明した」と弁明。だが、それが詭弁であることは明らかだ。マイクを切るという行為は、被害者の声を遮る、すなわち国家としての謝罪や向き合う姿勢を踏みにじるものであり、「運営上の問題」で片づけられる性質のものではない。
ネットでは怒りと疑問の声が続出
SNSでは環境省の対応に批判が殺到している。
「3分でマイクを切るって…どれだけ被害者をバカにしてるんだ?」
「これはもう“省”じゃなくて“障”害だよ、被害者の声を遮る障害」
「なぜ大臣に説明しない?環境省の体質が腐ってる」
「公害被害者に対する国の姿勢がこれなのか…恥ずかしい」
「報告しなかったじゃない、意図的に隠してたんじゃないの?」
これらの意見は、一時の感情ではなく、長年にわたって続いてきた水俣病問題に対する国の無関心、そして“省益”を守るための保身主義に対する根深い不信を表している。
隠蔽ではなく“切断” 誠意なき行政の末路
環境省は、「シナリオの存在を隠す意図はなかった」と苦しい説明を繰り返しているが、そもそも問題はその“意図”ではなく、“行為”だ。重大な人権侵害を伴うような運営方針を、現職大臣にすら説明しない組織体質は、もはや職務放棄に等しい。
水俣病は、日本の公害行政の象徴であり、国と加害企業の不作為によって甚大な被害を生んだ歴史的事件だ。その被害者の声を、行政が率先して遮るとは、過去の反省は一体何だったのか。
このような対応がまかり通るなら、どんな謝罪も、どんな再発防止策も空虚なものに過ぎない。環境省は、ただちに責任者を明らかにし、被害者と国民に対して説明責任を果たすべきだ。