2025-05-31 コメント投稿する ▼
「新潟水俣病60年」環境相の発言に批判続出 未認定患者救済への政治的決断求める声高まる
環境相に「原稿読み」批判 新潟水俣病60年で募る不満
新潟水俣病の公式確認から60年を迎えた5月31日、新潟市で記念式典と政府関係者との懇談が行われた。しかし、式典に出席した浅尾慶一郎環境相の姿勢に対して、被害者や支援団体から強い不満が噴出した。特に、未認定の患者に対する救済策についての具体的な発言がなかったことが怒りの火種となっている。
「政治の覚悟見えない」未認定患者の切実な訴え
式典前に行われた懇談の場では、患者団体が浅尾環境相に対し、いまだに認定を受けられない高齢の患者たちに人道的配慮を求め、政治的な決断を強く要請した。これに対し、浅尾氏は「法律に基づいた丁寧な対応を続ける」との言葉を繰り返すのみで、目立った方針転換や基準の見直しについての言及はなかった。
団体の代表者は「結局、官僚が作った文書を読んでいるだけ。政治家としての意志が感じられない」と憤る。60年という節目の年にあっても、救済は進まず、患者の高齢化により時間の猶予も少ない。
自治体も国の姿勢に疑問 見直し求める声相次ぐ
新潟県と新潟市はこれまで一貫して、認定基準そのものの再検討と抜本的な見直しを政府に求めてきた。花角英世知事も式典後、記者団に対し「国がどう応えるのか、厳しく見ていきたい」と述べ、環境省の対応に注目する姿勢を示した。
しかし浅尾氏の発言は、「県や市、熊本とも連携しながら今後も丁寧な対応を続ける」という一般的な内容にとどまり、踏み込んだ政策転換は見られなかった。
SNSで批判殺到「読むだけならAIでもいい」
この日の懇談の様子はSNS上でも拡散され、政治家としての姿勢に疑問を呈する声が続出した。
「環境相、原稿読むだけならAIでもできる」
「60年経っても未認定問題が解決してないのは異常」
「訴訟でなく話し合いで解決したいって言ってるのに、全く動かない」
「本気で取り組む姿勢が見えない。高齢の患者に時間はないのに」
「こんな冷たい対応、被害者があまりに気の毒」
こうした反応は、環境省が現場の声をどう受け止めているのか、改めて疑問を突きつけている。
求められるのは「制度運用」ではなく「政治判断」
現在、訴訟に頼らざるを得ない未認定患者は、長年の苦しみと高齢化に直面している。患者団体や地方自治体の声は、制度の枠にとどまらず、政治的な決断での解決を求めているのが実情だ。
それにもかかわらず、「法にのっとった丁寧な運用」に終始する政府の姿勢は、時間との戦いを強いられる被害者にとって、もはや希望ではなく壁となっている。
今こそ、原稿読みの域を超えた、責任ある政治の言葉と行動が求められている。