2025-05-20 コメント投稿する ▼
PFAS飲料水規制、日本は方針変えず 来年4月から水道法で基準強化へ
PFAS規制、日本は独自の厳格方針を維持
環境相の浅尾慶一郎氏は5月20日の記者会見で、米国がPFAS(有機フッ素化合物)に関する飲料水の規制緩和に動いていることに対し、「日本としては方針を変えるつもりはない」と明言した。これは、今後も健康へのリスクに備えて規制を強めていくという政府の強い意思を示したものだ。
現在、日本ではPFOSとPFOAという2種類のPFASの合計値について、水1リットルあたり50ナノグラムを暫定的な目安としているが、来年4月からはこれを法的な基準に格上げする。基準を超えた場合、水道事業者には水質改善の対応が求められることになる。
米国は規制緩和、日本は逆行せず
米環境保護庁(EPA)は今月、PFOSとPFOAの基準を1リットルあたり4ナノグラムとする一方、その適用期限を2年延ばして2031年とする案を公表。また、別のPFASであるPFHxSやGenXなどの規制については撤回する方針も示している。
これに対し、日本は今後も厳しい対応を続けるとし、「科学的な知見に基づき、慎重かつ着実に進めていく」と環境省関係者は話す。背景には、PFASが分解されにくく長期間にわたって環境中に残る「永遠の化学物質」と呼ばれ、発がん性や免疫系への悪影響が報告されていることがある。
法的基準導入で検査義務も強化へ
現在の日本の制度では、PFASに関する基準は「暫定目標値」にとどまっており、水道事業者に法的な検査義務はなかった。しかし来年4月からは水道法上の基準として設定される予定であり、各自治体は定期的な検査と対応が義務づけられる。
また、新しい制度では3カ月ごとの検査が必要となり、基準を超えた場合は原因の特定や浄化措置を講じることが求められる。環境省はこれに向けて地方自治体との連携を強めており、専門的な支援体制の整備も進められている。
PFASへの関心高まる中、国民の不安にも配慮
PFASは焦げ付き防止のフライパンや防水加工された衣類など、身の回りの製品にも広く使われてきた。近年では、土壌や水源に残留し、健康リスクを招くことが懸念されている。全国各地で高濃度のPFASが検出された地域では、住民が検査や対策を求める声も高まっている。
ネット上でも今回の環境省の姿勢については多様な声が上がっている。
「アメリカに右へ倣えじゃなくて、自国の判断を貫く姿勢は評価したい」
「水道水の安全が脅かされてると思うと不安。ちゃんと対応してくれるのは安心」
「逆にアメリカはなんで規制を緩めるのか。大丈夫なの?」
「検査体制も強化されるみたいでよかったけど、自治体は大変そうだ」
「PFASって最近よく聞くけど、もうちょっと政府が説明してくれないと…」
今後は、全国の水道事業者が円滑に対応できるよう、政府からの財政的・技術的な支援が不可欠だ。国民の健康を守るためには、単に基準を設けるだけでなく、地域との連携や情報公開の徹底も求められるだろう。