2025-11-20 コメント投稿する ▼
白川容子議員がOTC類似薬保険外しを痛烈批判し破滅的負担警告
日本共産党の白川容子参院議員氏は11月20日の参院厚生労働委員会で、保険外しが患者に破滅的な医療費負担を強いる分断政策であると厳しく批判し、政府に見直しを迫りました。 現役世代の負担軽減のために他方に負担を強いる分断政策の問題性を明らかにしました。
白川容子議員が追及するOTC類似薬保険外し 難病患者の年間82万円負担を警告
自民・維新政権が11月21日に閣議決定した総合経済対策に盛り込まれたOTC類似薬の保険外しを巡り、患者団体や医療団体から激しい反対の声が噴出しています。日本共産党の白川容子参院議員氏は11月20日の参院厚生労働委員会で、保険外しが患者に破滅的な医療費負担を強いる分断政策であると厳しく批判し、政府に見直しを迫りました。
WHOが示す「破滅的医療支出」の基準で検証
白川議員は質疑の中で、世界保健機関(WHO)が定める「破滅的医療支出」の概念を用いて保険外しの問題点を浮き彫りにしました。WHOは可処分所得から食費などの生活費を除いた金額のうち医療費が40%以上を占める家計を「破滅的医療支出」と定義しており、白川議員はこの基準に照らして「まさに暮らしも命も破滅させる状況をつくり出す」と政府を厳しく追及しました。
具体的な事例として、難病患者の薬代が保険外しによって約27倍の年間82万円に跳ね上がる試算を示し、保険から外された部分は新たな家計負担になると指摘。現役世代の負担軽減のために他方に負担を強いる分断政策の問題性を明らかにしました。
患者家族からの悲痛な訴え
田村貴昭衆院議員とともに国会論戦で保険外しに反対してきた共産党は、患者とその家族から寄せられた切実な声を国会で紹介しています。その中には「子どもの全身に塗る保湿薬はとんでもない量。保険がきかないと量を減らさざるを得ない」「かゆみで眠られずに血だらけの布団で過ごす日々には戻りたくない」「薬が高くなれば生きていくことができない」といった悲痛な声があります。
京都市内に住む母親は「うちの子どもたちが使っている薬が保険から外れるかもと聞いて、びっくり。市販で買えば、毎月3000円から5000円、年間で6万円もかかる」と不安を訴えています。
「なぜ子どもの命に関わる薬から削るのか理解できない」
「月200円で安心して病院にかかれていたのに台無し」
「手取りを増やすと言いながら薬代負担増は完全に矛盾」
「これ以上家計を圧迫されたら治療を諦めるしかない」
「難病の子を持つ親として絶望的な気持ちになる」
保険外しによる患者負担の実態
全国保険医団体連合会が実施したアンケート調査(最終報告:1万2301人回答)では、解熱・鎮痛剤、咳止め、抗アレルギー薬、湿布、保湿剤などの薬剤費が20倍から30倍に増加することが明らかになっています。
調査結果によると、83.6%が「薬代が高くなる」、61%が「薬が必要量用意できず症状が悪化する」と回答し、子ども医療費や難病医療費の助成制度が使えなくなることに95.8%が「問題がある」、94.9%がOTC類似薬の保険外しに「反対」と答えました。
保険外しで自己負担額は、ヘパリンで約21倍、リンデロンで40倍、市販での価格が保険適用時の55倍に上るものもあると報告されています。
白川議員の分断政策批判
白川議員は20日の参院厚労委員会で、現役世代の負担軽減のためとうたうOTC類似薬の保険外しについて、一方の負担軽減のためにもう一方に負担を強いる分断政策であり、「結局は国民全体に跳ね返ってくる」と指摘しました。
上野賢一郎厚労相氏が政府の骨太方針で子どもや慢性疾患を抱えている人や低所得者の患者負担などに十分配慮するとしていると答弁したのに対し、白川議員は「配慮する最も適切な方法は医療費抑制の見直しだ」と批判を展開しました。
政府方針と今後の見通し
自民党、公明党、日本維新の会の3党は2025年6月11日にOTC類似薬の保険給付のあり方見直しなど社会保障改革に関する政策について合意しました。総合経済対策では今年度中に制度設計を実現し、来年度中に実施すると明記されており、2026年度から段階的な実施が予定されています。
しかし、日本医師会をはじめとする医療団体や患者団体からの反対は強く、白川議員らの国会での追及も続いています。継続的に薬を必要とする慢性疾患患者の治療継続を困難にする経済負担をもたらす政策として、見直しを求める声が高まっています。