2025-11-20 コメント投稿する ▼
診療報酬の大幅引き上げによる地域医療救済が急務
白川氏は病院現場の聞き取りから得た深刻な経営危機の実態を示し、長期間据え置かれた診療報酬こそが病院経営悪化の根本的要因だと厳しく指摘しました。 白川氏は診療報酬引き上げ分を患者負担増に委ねるべきではないとの立場から、OTC類似薬の保険適用除外問題についても厳しく追及しました。
診療報酬引き上げ要求で地域医療の救済急務
白川容子議員が初質問で病院経営危機を告発、OTC類似薬保険継続も主張
日本共産党の白川容子参議院議員は2025年11月20日、参議院厚生労働委員会での初質問で、診療報酬の大幅引き上げとOTC類似薬の保険適用継続を強く求めました。白川氏は病院現場の聞き取りから得た深刻な経営危機の実態を示し、長期間据え置かれた診療報酬こそが病院経営悪化の根本的要因だと厳しく指摘しました。
病院経営赤字の深刻化は自民党政権の診療報酬政策の結果
白川氏は診療報酬改定の歴史的経緯に焦点を当て、2002年以降の改定状況について厚労省を追及しました。間隆一郎保険局長は、消費税対応分を除いた本体と薬価の合計がプラス改定となったのは2010年と2012年のわずか2回のみと答弁しました。
「自民党政権では診療報酬が全然上がらないじゃないですか」
「病院の経営がこんなに悪化するのは当然ですよね」
「診療報酬をもっと大幅に上げるべきです」
「地域医療を守るためには診療報酬引き上げは待ったなしです」
「看護師不足で病床を閉鎖する病院が増えてるのは本当に深刻です」
白川氏は、この2回のプラス改定がいずれも自民党政権ではない時期だったことを強調し、自民党政権による診療報酬抑制政策を厳しく批判しました。現在の物価高騰と人件費上昇にもかかわらず、診療報酬が長年据え置かれていることで、医療従事者と他産業との賃金格差が拡大し、看護職員の大量離職を招いていると告発しました。
医療人材流出で病床制限が拡大
白川氏は現場の聞き取り調査を基に、深刻な人材流出の実態を明らかにしました。看護師確保ができないために病床を制限せざるを得ない病院が全国で増え続けていると指摘し、地域医療の要である病院の救済が国民の命を守るためにも急務であると強調しました。
2025年の調査では、病院経営の窮状が深刻化しており、多くの病院が継続的にほぼ満床でなければ黒字を維持できない状況が明らかになっています。2024年度診療報酬改定後には医業赤字病院が69%、経常赤字病院が61.2%にまで増加し、病院団体は「物価・賃金の上昇に対応できる病院診療報酬」の必要性を強く訴えています。
OTC類似薬保険外しで患者負担27倍の衝撃
白川氏は診療報酬引き上げ分を患者負担増に委ねるべきではないとの立場から、OTC類似薬の保険適用除外問題についても厳しく追及しました。難病患者の薬代自己負担が約27倍にも増える具体例を示し、医療費抑制策がどの世代にも負担軽減にならないと主張しました。
厚生労働省の試算によれば、OTC類似薬が保険適用除外となった場合、花粉症薬で20倍、解熱鎮痛薬で20倍、湿布薬で36倍の患者負担増となります。政府は2025年末までに検討を行い、早期に実現可能なものについて2026年度から実施する方針ですが、患者の経済的負担と健康被害のリスクが深刻な懸念となっています。
真の応能負担で社会保障充実を
上野賢一郎厚労相は「全ての世代で能力に応じて負担し、支え合うことが重要」と答弁しましたが、白川氏はこれに対し、所得が1億円を超えると税負担率が下がる「1億円の壁」の撤廃と大企業の法人税減税見直しなどによる真の応能負担の実現を求めました。
現在の物価高の背景には、数十年にわたる自民党の失策があり、物価高対策として財政出動や減税は一刻の猶予も許されない状況となっています。医療費抑制ではなく、富裕層や大企業に対する適正な税負担によって社会保障制度を充実させる政策転換が急務となっています。
白川氏の初質問は、病院経営危機の根本的要因が診療報酬抑制政策にあることを明確に示し、地域医療を守るための診療報酬大幅引き上げと、患者負担を増やすOTC類似薬保険外し政策からの転換を強く求める重要な問題提起となりました。