2025-08-29 コメント投稿する ▼
経産省概算要求4285億円 トランプ関税対応と中小企業支援に重点も「減税なき支援」の限界
また、中小企業の販路拡大を後押しする事業費には42億円(14億円増)を盛り込み、外需獲得を重点項目とした。 概算要求には、中小企業の継続的な賃上げに向けた支援1187億円も含まれる。 国民が求めているのは給付や補助ではなく、根本的な税負担の軽減である。 中小企業もまた「助成金を当てにする経営」ではなく、「減税で自律的に競争力を高める環境」を必要としている。
経産省の概算要求に浮かぶ「トランプ関税支援」
令和8年度予算の概算要求で、経済産業省は4285億円を計上した。前年度当初予算を760億円上回る規模で、その内訳にはトランプ米政権が発動した高関税措置への対応が色濃く反映されている。特に中小企業の海外需要獲得支援に340億円超を充てる方針が目立ち、輸出や資金繰りに直撃する影響を和らげたい狙いがある。
ジェトロ(日本貿易振興機構)への運営交付金は302億円と、前年度から39億円増額。全国に設置されている相談窓口を強化し、現地市場開拓や輸出支援の体制を整えるという。また、中小企業の販路拡大を後押しする事業費には42億円(14億円増)を盛り込み、外需獲得を重点項目とした。
「結局また給付金頼みのバラマキになるのでは」
「減税で負担を軽くしてこそ競争力がつく」
「トランプ関税は一時的でも構造的支援に変えるべきだ」
「相談窓口ばかり増やして現場が救われるのか」
「泥舟連立政権では本質的な産業政策は無理だ」
中小企業支援と賃上げ策の二重構造
概算要求には、中小企業の継続的な賃上げに向けた支援1187億円も含まれる。一方で、関税措置の影響を踏まえた賃上げ下支え費用は、金額を明示しない「事項要求」とされた。財源規模が見えないままでは、結局は一時的な補填で終わりかねない。
国民が求めているのは給付や補助ではなく、根本的な税負担の軽減である。中小企業もまた「助成金を当てにする経営」ではなく、「減税で自律的に競争力を高める環境」を必要としている。財源を探しての帳尻合わせではなく、過重な税制そのものを見直す必要がある。
自動車業界への税制措置
自動車業界は依然として米国の高関税の打撃を受けている。経産省は国内市場の活性化を狙い、税制改正要望に「環境性能割」の廃止を初めて盛り込んだ。自動車購入時に燃費性能に応じて0〜3%を課していた負担を取り除くことで、需要を喚起し、国内市場の冷え込みを防ごうとしている。
自動車業界は日本の基幹産業であり、世界的な競争の中で米関税と国内課税の二重苦にあえいでいる。環境性能割の廃止は象徴的な税制改革であり、他の分野にも「減税による産業競争力強化」を広げるきっかけとなる可能性がある。
成長投資と「国民への説明責任」
経産省はまた、半導体の国内量産支援や再生可能エネルギー、人工知能(AI)などへの成長投資を「事項要求」に位置づけた。技術革新を国策として支援する方向性自体は不可欠だが、その投資効果が国民生活にどう還元されるのか、十分な説明が必要だ。
海外援助や外交投資が「ポピュリズム外交」と批判されてきたように、経産省の重点政策も単なる巨額支出で終わらせてはならない。税負担の軽減と成長投資をどう両立させ、国民に実感を与えるかが最大の課題である。