2025-07-02 コメント投稿する ▼
川崎駅前の路上ライブに事前登録制を導入へ 市が苦情受け試行、文化と秩序の両立目指す
川崎駅東口の路上ライブに登録制導入 苦情増加で「文化として守る」試行へ
70組が集まる“音楽の聖地”にルール導入
川崎市は、川崎駅東口の駅前広場で活発化している路上ライブについて、8月1日から来年3月末まで、試行的に事前登録制を導入すると発表した。駅前を通る市民や利用者からは、演奏の増加による騒音や通行妨害に対する苦情が相次いでおり、市は「音楽のまち・かわさき」としての文化と秩序の両立を図る方針だ。
市民文化振興室の調査によると、同広場では1週間あたり約70組が演奏しており、近年では“無法地帯化”の懸念も指摘されていた。特に令和4年ごろからはスピーカーを使った大音量演奏や歩道の占拠などが問題化し、神奈川県警や市に苦情が多数寄せられていたという。
「駅前での演奏、最初は楽しかったけど最近は騒がしすぎ」
「70組って…もうフェスじゃん。そりゃルール必要だよ」
「文化を守るための登録制、妥当な判断だと思う」
「一部のマナー違反が、全部を壊す典型例」
「次は登録制の“抜け道”が問題になるかもね」
登録制の詳細 機材・演奏時間に制限
新たな試行制度では、演奏者が「音楽のまち・かわさき」推進協議会のウェブサイトで事前登録を行い、許可された4カ所の指定エリアでのみ演奏が可能となる。演奏時間は最長1時間、演奏可能な時間帯は正午から午後9時までとされており、時間厳守が求められる。
また、販売行為(CDやグッズなど)や、一人で持ち運びができないサイズの楽器・機材の使用は禁止される。商業的な活動や、大掛かりなパフォーマンスに対する一定の抑制措置だ。
市は、「誰でも自由にできる」からこそ、公共空間での表現には責任と配慮が必要だとして、一定のルール化に理解を求めている。
文化の“締め出し”ではなく、共存のための制度
川崎市は、1997年から「音楽のまち・かわさき」を掲げ、市民参加型の音楽イベントや音楽教育の普及に力を入れてきた。今回の登録制も、演奏活動そのものを否定するものではなく、「文化として残すためのルール作り」として試行的に導入されるものだ。
制度導入後は、演奏者や観客、通行人へのアンケートを実施し、実際の影響や課題を把握した上で、2026年度(令和8年度)以降の本格的な制度化を検討するという。
路上の音楽を誰のために、どう続けていくのか
路上ライブは、プロを目指す若者や市民ミュージシャンの発表の場として、長年にわたり文化の担い手となってきた。だが、同時に「公共空間の占有」「音量問題」「営利行為」など、トラブルの火種も抱えてきた歴史がある。
行政として「排除ではなく共存の道」を模索する今回の登録制度は、音楽を愛する人々の間でも賛否が分かれる可能性がある。「ルールがあるから安心して演奏できる」という声もあれば、「自由さが失われる」という反発も出てくるだろう。
制度は万能ではないが、公共の場で文化を続けていくには「自由と責任のバランス」を考える必要がある。今後、演奏者・市民・行政がどうこの制度を“育てて”いくかが問われる。