2026-02-05 コメント投稿する ▼
川崎市予算案9378億円で過去最大、子育て・教育に重点配分
川崎市が2026年2月5日、2026年度当初予算案を発表しました。一般会計総額は前年度当初比5.0パーセント増の9378億円で、3年連続増加となり過去最大を更新しました。初めて9000億円を突破した予算案について、福田紀彦市長は「選ばれ続ける都市実現予算」と名づけ、子育て支援や教育、社会基盤整備に重点配分する方針を示しました。
初の9000億円突破、市税収入も過去最大
一般会計総額9378億円は、前年度当初比5.0パーセント増で3年連続の増加となりました。特別会計と企業会計を合わせた予算規模も1兆7280億円で過去最大です。
歳入では市税収入が前年度比5.5パーセント増の4272億円で過去最大を更新しました。5年連続での過去最大更新となります。給与引き上げなどによる個人市民税と固定資産税の増加を見込んでいます。
減債基金新規借入金は2014年度以来12年ぶりにゼロとなりました。ふるさと納税による寄付受け入れ額を55億円とする一方、流出額は172億円を見込みました。
一方で、市の貯金にあたる財政調整基金から20億円を繰り入れ(取り崩し)て手当する必要があり、歳出増が市税収入の伸びを上回る状況となっています。
義務的経費が過去最大に
歳出は「人件費」「扶助費」「公債費」を合わせた「義務的経費」が前年度比2.3パーセント増の5797億円で過去最大となりました。歳出全体に占める割合は61.8パーセントでした。
大型投資が重なり、職員退職金による人件費が増大しています。福田市長は記者会見で、金利上昇下で大型の投資事業が続く状況について「金利負担が重くなりフェーズが違う。財政運営は緊張感を持つ必要がある」と述べました。
5項目を重点施策に
「子ども・教育」「健康・福祉」「地域の魅力・価値」「社会基盤・生活基盤」「経済成長・社会課題解決」の5項目を重点施策としました。
子ども・教育では、市立学校体育館などの空調設備整備に4億2000万円を計上しました。2029年度までに全178棟での整備を完了させる計画です。
「学校の朝の居場所づくりの推進」に2200万円を充て、ボランティアの協力のもと、午前7時半ごろから小学校内の一室を児童に開放します。2026年度は各区1校で実施し、将来的には全小学校に拡大する方針です。
健康・福祉では「高齢者、障害者への日常生活用具の給付」に5億9000万円を計上しました。
地域の魅力・価値では「等々力緑地再編整備・運営等事業の推進」に158億円を計上しました。2026年度は新たに整備される陸上競技場が完成予定です。
防災・インフラ整備に325億円
社会基盤・生活基盤では、災害時のトイレ対策に2億6900万円を充て、マンホールトイレの整備などを進めます。
「水道、下水道施設の耐震化・老朽化対策の推進」には325億3000万円を計上しました。大規模災害に備えた上下水道施設の耐震化や老朽化対策に重点投資します。この投資により、企業会計の下水道、水道事業も予算が膨らむ結果となりました。
経済成長・社会課題解決では「臨海部の活性化」に12億9000万円を計上しました。2028年度に予定される扇島地区の一部土地利用開始に向け、道路アクセスや港湾施設の基盤整備などを進めます。
「9000億円を超える予算規模になったが、これは川崎市が成長を続けている証だ」
「子育て支援や教育に重点配分するのは、将来への投資として正しい」
「金利上昇局面での大型投資は財政負担が心配。慎重な運営を求めたい」
「ふるさと納税の流出額172億円は深刻。受け入れ額55億円との差が大きすぎる」
「等々力緑地の陸上競技場整備に158億円は適切か。優先順位を見直すべきでは」
「選ばれ続ける都市」目指す
福田市長は記者会見で「持続的な発展を遂げ、未来の川崎市民にも選ばれる都市であり続けるための取り組みに、重点的に予算を配分した」と説明しました。
川崎市は人口増加が続く首都圏の中核都市ですが、急速な高齢化と将来的な人口減少社会を見据えた施策が求められています。今回の予算案は、子育て支援や教育の充実により、若い世代に選ばれる都市づくりを目指す一方、高齢者福祉や防災・インフラ整備にも手厚く配分するバランス型の予算となっています。
ただし、歳出増が市税収入の伸びを上回り、財政調整基金を取り崩す必要がある点や、金利上昇局面での大型投資が続く点については、今後の財政運営に課題を残す形となりました。
予算案は2026年2月の市議会定例会に提出され、審議される予定です。